NEWS & COLUMN ニュース/記事

透明雜誌の透明ディスク(第4回)

連載
皿えもん
公開
2012/11/30   17:00
更新
2012/11/30   17:00
テキスト
文/ホン・シェンハオ(透明雑誌)  翻訳/sayaka.c


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! 台湾のバンド・透明雑誌のホン・シェンハオ(ギター/ヴォーカル)が自身のルーツ盤を紹介します!!



toumeizassi4_4



Pixies 『Doolittle』 4AD



〈神経質でアウトローで自分勝手、でも不思議と人を夢中にさせる……〉
これが僕にとってのピクシーズの音楽、もしくはブラック・フランシスその人への解釈。
17歳の時、ニルヴァーナのカート・コバーンが雑誌のインタヴューで、自身の創作にピクシーズが与えた影響について語っているのを読んだ。そしてある日の放課後、僕はレコード店に走り、ピクシーズのアルバムを買って帰った。

『Doolittle』は僕が初めて買ったピクシーズのアルバムであり、ここから彼らの音楽にハマっていく。
宇宙人について歌っているかと思えば、今度は聖書のストーリーを語ってみたりする、このおかしなバンドをなぜ僕がいまでも好きか――このバンドに魅せられる大きな要因のひとつとして、ブラックのわがままさと彼の描く妄想世界がある。

〈Wanna grow up to be a debaser……〉
“Debaser”のなかで、彼はこんなふうに、わがままに歌っている。

ブラックは僕に創作とは何か、そして〈わがままさ〉の必要性を教えてくれた。
もちろんそのわがままを受け入れて好きになってもらうのはとても難しいことだけれど、彼を含むピクシーズのメンバーたちはそれを見事にやってのけたうえ、その後25年に渡って数多くのバンドに影響を与え続けている。

彼らの有名なドキュメンタリー映画「ラウド・クァイエット・ラウド」をはじめ、唐突なコード進行やテンポチェンジ、そして1枚のアルバムにスタイルが大幅に違う楽曲を収録していることなどなど、すべて僕の今日の創作に深く影響している。

〈You think I'm dead, but I sail away〉(“Wave Of Mutilation”)
……どれだけ渋くてカッコイイんだよ!



▼以下、原文

「神經質、乖誕、任性、卻又不可思議的令人著迷...」
這是我對Pixies的音樂,或著可以說是對Black Francis這個人所下的註解。
十七歲時,因為看到Kurt Cobain在雜誌訪談中提到的Pixies對於他創作的影響,於是我在某天放學後跑去唱片行買了Pixies的專輯回家聽。
「Doolittle」是我所購買的第一張Pixies專輯,自此之後我便陷入了他們的音樂之中,為何這個一下唱著外星人,一下又說著聖經裡的故事的奇怪樂團會讓我喜愛至今,對我來說,Pixies這個樂團很大一部分迷人的地方就是Black的任性和他建構出的妄想世界。

「Wanna grow up to be a debaser…」
Debaser裡Black Francis這樣任性的唱著。

Black讓我了解到對於創作,任性是有其必要的。但要任性的受人喜愛卻是一件很難得的事情啊,
Black Francis和Pixies卻做到了,還進而影響了往後二十五年來無數的樂團。
他們著名的「Loud. Quiet. Loud」橋段,突兀的和弦切換及時快時慢的段落轉變,甚至是在同一張專輯中放進了風格差異極大的曲子…等等,這些都深深的影響著我今日的創作。

「You think I'm dead, but I sail away」
…多麼的瀟灑又帥氣啊!

透明雜誌/洪申豪



PROFILE/透明雑誌



ホン・シェンハオ(ギター/ヴォーカル)、チャン・シェンウォン(ギター)、シュエ・ミンホン(ベース)、タン・スージェイ(ドラムス)から成る4人組。2006年に台湾で結成。2007年に自主制作でファースト・アルバム『我們的霊魂楽』を発表。2011年、同作に新録曲を追加した日本仕様盤(邦題〈僕たちのソウルミュージック〉)をリリースし、それを引っ提げたジャパン・ツアーも行うなど注目を集める。今年行われた〈下北沢インディーファンクラブ〉をはじめ、日本のイヴェントへも精力的に参加。そして7月に日本メジャー・デビューEP『透明雑誌FOREVER』(EMI Music Japan)を発表している。最新情報はコチラへ!



RELATED POSTS関連記事