解散状態にあるUKきっての超人気トリオから、問題児とセレビッチのソロ作が連発!!
N・ダブズから立て続けにソロ・アルバムが到着!とはしゃいでも日本ではほぼ無名だろうが……グライム系クルーを前身に2000年代初頭に活動を始めたN・ダブズは、2MC+シンガーから成るロンドンのトリオだ。よく比較されるBEP同様に時流を読んでエレクトロ色を強めた彼らは、2009年に“I Need You”でUK R&Bチャートを制覇。客演したティンチー・ストライダー“Number 1”は全英1位に輝いて一躍ブレイクを果たす。3作目『Love.Live.Life』を出した後の2011年には解散するが、その前にMCのダッピーは“No Regrets”で全英No.1デビューを飾っていた。
で、今回リリースされたダッピー初のアルバム『Bad Intentions』は、フレイザーT・スミスやTMS、SXらメインストリームのトップ連中が制作したカラフルな内容で、N・ダブズ譲りのダンス・トラックからブライアン・メイのギターが轟く先行ヒット“Rockstar”、ウォンテッドとの合体まで多様なスタイルが試みられている。素行の悪さも噂される主役だけに、キャラを反映したエモーショナルなスピットが強い印象を残すだろう。
一方、「The X Factor」の審査員を務めて人気タレントとなったシンガーのトゥリサ(ダッピーの従妹でもある)も、エロ動画流出のゴシップを吹っ飛ばし、ソロ・デビュー曲“Young”の全英1位を経て初のアルバム『The Female Boss』を発表した。“Young”などEDM系ビッグ・チューンから、バーリントン・リーヴィ“Under Mi Sensi”のループでタイガと絡む“Live It Up”、ドリームの手による“Skeletons”という並びがモロにリアーナ狙いなのも下世話で最高。吠えるようなビッチ歌唱にはまた別のカッコ良さがあり、セールスではコケたもののなかなかの好盤だ。
もう1人のMC、フェイザーも“Killer”でデビューしたが、早くもグループ再結成が噂されていたり……彼らにはいまから注目しても遅くはない。
▼N・ダブズの作品。
左から、2009年作『Against All Odds』、2010年作『Love.Live.Life』(共にAll Around The World/Island)