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クリスマス

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NEW OPUSコラム
公開
2012/12/18   20:30
更新
2012/12/18   20:30
ソース
bounce 350号(2012年11月25日発行)
テキスト
文/編集部


編集部オススメのクリスマス・アルバムを一挙紹介!



CEE LO GREEN 『Cee-Lo's Magic Moment』 Elektra

「glee/グリー」シリーズを手掛けるアダム・アンダース&ピア・アストロムがプロデュースした本作は、ダニー・ハサウェイのカヴァーをはじめスムースな歌唱を堪能できる、つまり前作『The Lady Killer』の延長にあるようなヴィンテージ・ソウル盤に。でも、アギレラとの野獣デュエットだったり、〈ザ・マペッツ〉とのコミカルな共演だったり、バーレスク・ミュージック風のダーティーな“You're A Mean One, Mr. Grinch”だったりで、シー・ローならではの濃さ(≒キワモノ感)が出ちゃっていて……。おっ、〈Soul Machine〉が帰ってきた?と思わせる瞬間もあります。

 

JOHN TRAVOLTA & OLIVIA NEWTON-JOHN 『This Christmas』 Hip-O/ユニバーサル

学園ラヴコメの傑作「グリース」以来34年ぶりの顔合わせとなるスペシャルな一枚。冒頭から笑い声混じりの掛け合いが飛び出し、ミュージカルの世界に入り込んだみたいな気にさせられます。で、トニー・ベネットやジェイムズ・テイラーらゲストの豪華さもさることながら、あの頃にも引けを取らないオリヴィアのぶりっ子ヴォーカルにひっくり返るはず。「グリース」ファンには“Hopelessly Devoted To You”を書いたジョン・ファーラーの書き下ろしナンバーやオールディーズ風の“Rockin' Around The Christmas Tree”あたりがたまらないんじゃないでしょうか。

 

TRACEY THORN 『Tinsel And Lights』 Trange Feeling/HOSTESS

引き続きイワン・ピアソンが手掛けたソロ4作目。ベン・ワットがギター&ピアノで参加+1曲を提供しているのも大きなトピックですし、グリーン・ガートサイド(スクリッティ・ポリッティ)とのデュエットもネオアコ好きには感涙モノでしょうが、何よりスフィアン・スティーヴンスやステフィン・メリット(マグネティック・フィールズ)の楽曲を取り上げるあたりの斜めなセンスに、変わらないトレイシーを発見できて嬉しくなっちゃいますね。もちろん透明感のある歌声も健在で、簡素なアコースティック・サウンドも相まってEBTG『Amplified Heart』を思い出してしまいました。

 

KEM 『What Christmas Means』 Kemistry/Motown

紳士的かつスモーキーな歌唱でマイペースに良品を届けるケム。こうやってホリデイ・アルバムを出せること自体が日本からは窺い知れない人気の証明なわけですが、レックス・ライダウトを参謀に迎えた今回はいつも以上にマイルドな風情です。序盤の静謐なオリジナル3曲(共作者はメラニー・ラザフォード!)で掴まれ、スタンダード群を経てシメのドゥワップに至るまでとにかく高品質! レディシとの“Be Mine”にビリー・ポールの不倫ソング“Me And Mrs. Jones”をネタ使いするセンスにもニヤリ。R&Bファンには『My Gift To You』級のクリスマス盤と言えば伝わるでしょうか。

 

MINDY GLEDHILL 『Winter Moon』 Blue Morph/Disques Dessinee

ホール&カスケイド作品への参加を経て、〈傘ジャンプ〉な2010年作『Anchor』が今年に入り日本でもヒットしたミンディちゃん。ギター・ポップ調にアレンジされた〈サンタが街にやってくる〉やビーチ・ボーイズ曲、バンジョーのユル〜い伴奏が印象的な自作のタイトル・トラックなどにウキウキです。

 

COLBIE CAILLAT 『Christmas In The Sand』 Universal Republic/ユニバーサル

ブラッド・ペイズリーとのブルージーな共演や、デビュー曲“Bubbly”を共作したジェイソン・リーヴスとのナチュラルなデュエットも聴けちゃう初のホリデー盤は、カリフォルニア娘らしい太陽の光をたっぷり浴びた一枚に。スラックキー&さざ波の音が、肩の凝りをほぐしてくれますよ。

 

SCOTT MURPHY 『Guilty Pleasures Christmas』 ユニバーサル

アリスターの新作も記憶に新しいなか約2年ぶりに登場したソロ作は、稲垣潤一や辛島美登里、ユーミンなど期待を裏切らない選曲で楽しませてくれます。特にアウル・シティ風のアレンジを施したワム!のアレや、クリスマス・キャロルのパンキッシュなメドレーあたりがパーティーで重宝しそう。

 

ROD STEWART 『Merry Christmas, Baby』 Verve/ユニバーサル

デヴィッド・フォスターがヴァーヴの社長に就任しての一発目。定番曲がフォスターらしいゴージャスなビッグバド・サウンドにドレスアップし、ロッドのロッキン・ソウル歌唱もいつになくエレガントです。シー・ローにトロンボーン・ショーティ、メアリーJ・ブライジらもめかし込んで参加。

 

SCOTTY McCREERY 『Christmas With Scotty McCreery』 19/Mercury Nashville

ちょうど1年前にデビュー作『Clear As Day』で全米No.1をゲットした19歳からの冬の便り。ロカビリー〜カントリー・ウェスタン〜ビッグバンド・スタイルに変換されたスタンダードを、可愛い顔からは想像もできないトム・ジョーンズ似の低音ヴォイスで朗々と歌い上げております。貫禄ありすぎ!

 

LADY ANTEBELLUM 『On This Winter's Night』 Capitol Nashville

2010年のターゲット限定EPに新曲6つを追加したお得盤。子供コーラスが印象的な表題曲(トム・ダグラスと共作した作品中で唯一のオリジナル)をはじめ、しっとりしたミディアムが多く、早く家に帰って暖炉に火を点けたくなりました。プロデュースはお馴染みのポール・ワーリー。

 

Mye 『my winter soul』 SUPA

今年メジャー初アルバムを出したばかりのMyeが古巣より放った一枚。ゴスペル仕込みのパワフルな歌唱が爆発する広瀬香美のハウシーなカヴァーも凄いですが、ジャクソン5っぽいアレンジを散りばめたオリジナル曲“Christmas Town”などで聴ける、抑えめのヴォーカルが粋ですね。

 

VARIOUS ARTISTS 『WINTER, SOUL LIGHTS』 SWEET SOUL

メッセージ・カード付きの人気シリーズからクリスマス編が登場です。爽やかでメロウなスムース・ジャズ・タッチの演奏上で、矢幅歩や澤田かおり、Lynらの程良く黒くて官能的な歌声が滑らかに舞う全5曲。ディナーの予約を取り損ねてしまっても、これがあれば彼女は落ちます。

 

NOKKO 『The Christmas Songs』 shiosai ZiZO

公私に渡るパートナーのGOH HOTODAとシカゴでレコーディングした本作は、童謡チックな自作曲も含め、まるで愛娘に歌い聴かせているような雰囲気に。フィリップ・セスのさり気ないオーケストラ・アレンジがあの鼻声ヴォーカルを温かく包み込み、リスナーに優しい時間を届けてくれます。

 

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