NYの人気レーベルも目を付けた、チリのインディー・シーンが気になる!
60年代末から70年代にかけて活躍したチリのバンドを掘るブームが、サイケ・ロック好きの間で数年前にありましたが、ここで紹介するのは地下シーンで暗躍中の現役2組。しかも、ゾーラ・ジーザスを輩出したセイクリッド・ボーンズに所属しているというから、興味深いですね。まずは2作目『II』を発表したばかりのフォールアックゾイド。幼馴染みの4人が集まって奏でるは、反復ビートと共にファズ・ギターやシンセが無尽蔵に広がっていく、クラウト・ロック系譜のディープなサウンド。その黙示録的なサイケデリアは、スペースメン3のメンバーを乗せたUFOが南米にゆらゆらと不時着したかのような雰囲気です。
お次のホーリードラッグ・カップルは、フォールアックゾイドとも関係の深いギタリストがドラマーと組んだデュオ。ニュー・アルバム『Noctuary』では、哀愁を仄かに感じさせるドリーミーなギターと歌メロとがゆっくり渦を巻いています。カリフォルニア産とはひと味違う(南半球の)西海岸的なレイドバック感が堪能でき、テイム・インパラ好きにもオススメ。現在のチリってこんなことになってるんだ!と驚かされました。
▼文中に登場した作品。
左から、フォールアックゾイドのニュー・アルバム『II』(Sacred Bones/OCTAVE)、ホーリードラッグ・カップルのニュー・アルバム『Noctuary』(Sacred Bones/OCTAVE)