タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!
みなさ〜ん、コ〜ンニチハ〜☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉担任の、気のせいだと思いますが花粉症デビューしたっぽいタマコです!! そして今回、目と鼻の周りをムニャムニャさせてお届けするひよこちゃんは、初作『大陸のパズル』(絶滅危惧種レコーズ)を発表した3人組、それ以染に!
「本をパッと開いたらあった〈それ以前に〉という響きが気に入ったのですが、そのままでは検索してもすぐ引っ掛からないので……」(TAQACY、ヴォーカル/ギター:以下同)なんてイマドキな理由でヒネったバンド名を持つこの子たち、〈民族楽器に頼らない民族音楽〉を基盤とした音作りがモットーというユニークな視点がまずおもしろいんですよ!
「例えばアメリカ人が忍者の真似をしても日本人から見たら違和感ありますよね。それと同じで日本人がどんなに上手く他の国の音楽をやっても、母国の人が聴いたら違和感を覚えるはずです。だからそのままやっても格好良く思えないなと。オリジナルの雰囲気を持ち込みながらも、自分たちのフィルターを通して違うものを生み出すようにしています」。
ゲーム〈聖剣伝説〉シリーズなどの音楽を手掛けた菊田裕樹に影響を受け、そこから世界の民族音楽に興味を持つようになったそうで、アフロビートかな……フラメンコかな……と、サイケ風味に彩られた各楽曲に潜む、参照となった音楽を想像しながら聴くのがオツです。メロディーにはそこはかとなく日本人ならではのテイストが出てたりして。が、徹底して〈民族音楽〉にこだわるというよりも、とにかく〈新感覚〉の創出をめざすほうを優先していることがわかる、不思議なオルタナ感が……。
「その、〈どう説明すれば良いのやら〉という音楽でありたいです。日本人っぽいメロディーは自分がキャッチーさを意識しているから自然とそうなっているのかもですね。バンド自体がジャンルになるような、〈それ以染にっぽい〉を確立したいです」。
ライヴの迫力を出すために一発録りにしていたり、曲ごとの音色などプロダクション面もかなりこだわっているという本作。まだまだおもしろくなるバンドだと思いますよ♪ そんなこの子たちの野望は?
「またインタヴューしてもらうこと」。
うむ、考えとく! ヘヘヘ……ではまた次……クシュン!
ひよこ組のおともだち
惑星アブノーマル 『何でもない凶器』 redrec
普通じゃない(!?)星から来たシンガーと鍵盤の女の子2人組。べらんめえな歌い回しや軽くレトロな薫りのするサウンドはデビュー当時の林檎ちゃんを思わせる激情系で、鍵盤を際立たせる作りがエモさを増強していてカッコイイです!
counterparts 『edge curve square』 NEW ONE
デビューした頃の時のカサビアン、『XTRMNTR』期のプライマル・スクリームあたりを彷彿とさせます。つまりUKっぽい湿り気と不穏さとスタイリッシュさがある感じ。資料にはマッドチェスター云々とあったけど、もっとモダンね。
Livingstone Daisy 『33Minutes Before The Light』 SEEDS
ぽんわりする〜……。フォーキーなアコースティック曲で爽やかな風を吹かせたり、ドリーム・ポップ勢とも共振するモワモワ系で夢見心地にさせたり。ノスタルジックなメロディーも合わさって、何だか心地良いわ〜。
Alter 『When something new begins』 Snow falls
秋田発〈正統派スクリーモ・バンド〉だそう。でもリヴァーブの効いたツイン・ギターなどからはポスト・ロック寄りの冷やかさが感じられたりする、結構知的な雰囲気ですよ。ヴォーカルがガナるとeastern youthの吉野さんっぽい!