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ひよこNo.55 静カニ潜ム日々

連載
ROCKひよこ組
公開
2013/04/24   00:00
ソース
bounce 354号(2013年4月25日発行)
テキスト
文/タマコ


タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!



静カニ潜ム日々_A



みなさ〜ん、コ〜ンニチハ〜☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉担任の、愛されるよりも愛したい派なタマコです。マジで☆ そんな愛に溢れたタマコが今回紹介するひよこちゃんは、初作『The Present』(RX/UKプロジェクト)を発表した3人組、静カニ潜ム日々です。90年代のUSインディーから影響を受けているのがビシビシ伝わってくる音が魅力!

「結成前にベースの佐藤(智明)とUSインディーについて話していて、モック・オレンジというバンドのことで盛り上がったんです。そこでいっしょに(バンド)やろうか……となって今日まで来ています。だからモック・オレンジがなければこのバンドはあり得なかったと言っても過言じゃないですね。90年代USインディーの存在自体が自分にとっての憧れなんです。サウンドがチープなのにメロディーが良かったりするともうたまらないですね。逆にエリオットみたいな、美声にやや激しめのサウンドが乗っかっているのも好き」(川元裕一朗、ヴォーカル/ギター/シンセ:以下同)。

新作には過去のデモ作品に収められた曲や川元くんが前のバンドで演っていた曲をアレンジしたもの、そして新曲も含まれ、静カニのこれまでの集大成と言える作品です。既発ものは何となくサニー・デイ・リアル・エステイトあたりに通じる、穏やかさと狂気が背中合わせになった、まさにエモ!っていう印象。ですが新しめの曲……例えば“old dialogue”はキュアー風のダークなアプローチだったり、“just follow me”はすごく軽やかなギター・ロックだったりと、一所に留まらないサウンドも見え隠れ♪

「今回は過去から現在までをすべて吐き出してやろうという気持ちで作りました。(音楽性の)引き出しはまだまだあるので、1曲でも多く届けたいです。200ページの本を書いているとしたら、まだ9ページを終えたくらいの感じでしょうか。とにかく書き足りないので早く次の作品を仕上げたい。ちなみに、これはお休み前に聴くとよく眠れるそうです」。

エ〜! 耳をつんざくノイズで飛び起きちゃったりするよ〜! でも“isotope”は子守唄になるかも……ということで、バンドの野望を静カニにどうぞ……。

「50歳になってもこの音楽性を基本に活動を続けること、以上」。

以上!! ではまた次回☆



ひよこ組のおともだち



Rhythmic Toy World 『軌道上に不備は無し』 STROKE

“酢豚”をはじめ、どんな顔して聴けばいいのか……な表題もご愛嬌。“I LOVE LED ZEPPELIN”なる想像通りのブルース・ロック調もありますが、概ね4つ打ち多めの脱力ポップ・チューン揃い。歌メロは何だか切ない系です!

 

THE MASHIKO 『アンチョビスケット』 いわしTUNE

BUMP OF CHICKEN、NICO Touches the Walls……といったあたりが頭をよぎります。日本の王道ギター・ロックと言うと語弊がある? 爽快な疾走感、淡いメロウ具合とか……やっぱ王道ギター・ロックがいちばんわかりやすいな。

 

トゥー・トゥー・トゥー 『トゥー・トゥー・トゥー』 SPEEDWGN

〈JET BOYS直系のガレージ・パンク〉ということで、ジャケもJET BOYS直系(かのバンドのオノチンがイラストを担当)。それで十分伝わる音ですね、ピュア! ちょっぴりおセンチなアルバム後半が好きです。

 

HAPPLE 『ドラマは続く』 マインズ・レコード

ロックというか〈POPひよこ組〉ですが、気になったので紹介。ceroの流れで聴ける、紅ならぬ黒一点の3人組。コーラスワークもラヴリーで、曲によってストリングスやスティールパンを用いたノスタルジック&眩い音が気持ちいい!