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Tres-men

連載
NEW OPUSコラム
公開
2013/04/24   00:00
ソース
bounce 354号(2013年4月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


洒脱で肉体的なグルーヴを真夜中に届ける、三人衆の極上ダンス・ミュージック!!



Tres-men_A



いわゆるクラブ・ジャズやラテン、ボサノヴァを起点にしたクロスオーヴァーな作品の数々を昨年末から連投しているレーベル・Playwrightの動きがいよいよおもしろくなってきた。別掲のfox capture planもそのひとつだが、ここでプッシュしておきたいのがTres-men(トレメン)である。2011年の結成以来、一部のDJの間にのみ出回った楽曲をスピンされることで注目を集めていたという噂のバンドが、このたびタワレコ限定で初のアルバム『Tres-men』を発表したのだ。

Tres-menというからには、核に3人の男がいる。ジャズ系を中心に数々のパーティーをオーガナイズし、Milford Soundなどでの活動も知られた櫻井喜次郎、quasimodeのパーカッショニストにしてDJ活動も盛んな松岡“matzz”高廣、そしてBLU-SWINGのキーボーディスト/コンポーザーたる中村祐介。この3名を中心に機能性の高いダンス・ミュージックを追求すべく結成されたスペシャル・ユニットというわけだ。全曲がカヴァーから成る今回のエクレクティックなアルバムは、クラブ・ジャズやラテン、ブラジル音楽などそれぞれの文脈からも楽しめるし、単純に肉体的なグルーヴ・ミュージックとしても抜群の完成度に仕上がっている。

レーベルの絆からorange pekoeを迎えたセルメン“Why”のカヴァーからフロアライクな快感が押し寄せるが、Saigenjiの熱い歌が響くラテン・ロック“One Fine Morning”などのヴォーカル曲に、インストで披露される“Sister Jane”や“Samba De”など往年のクラブ・クラシックも満載。マス・プロダクションのディスコ・ファンク“Cosmic Lust”カヴァーは、cro-magnonらがやっていることにジャズ方面からアプローチしたような味わいもある。必聴だ!



▼関連盤を紹介。

左から、2013年にリリースされたquasimodeのライヴ盤『Soul Delivery Live Shibuya Ax』(ユニバーサル)、BLU-SWINGの2012年作『FIND YOUR WAY』(D.I.A.A)、orange pekoeの2012年作『Tribute to Elis Regina』(Playwright)、Saigenjiの2012年作『ONE VOICE, ONE GUITAR』(disco la puerta/Happiness)