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BACKSTREET BOYS

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NEW OPUSコラム
公開
2013/08/25   00:30
更新
2013/08/25   00:30
ソース
bounce 357号(2013年7月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


結成20周年おめでとう! そしてついに……5人が5人で帰ってきた!



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ワン・ダイレクションはライヴで“I Want It That Way”を披露し、ウォンテッドは自分たちのPVでオマージュを捧げている。久しぶりに欧米のボーイズ・バンドが元気な季節を迎えている現在、彼らならずともバックストリート・ボーイズの存在を改めて思い出すという人も多いのではないだろうか。そして、偶然なのか時代の采配か、そのBSBには結成20年という節目が到来している。4年ぶりのニュー・アルバム『In A World Like This』はそんなアニヴァーサリーを飾る力作であり、ケヴィン・リチャードソンを含むオリジナル編成では『Never Gone』以来8年ぶりの作品だ。

この8年の間にはブライアン・リトレル、A.J.マクリーン、ハウイー・D、ニック・カーター各々のソロ・アルバムも登場したし、4人組のBSBとしても特に『This Is Us』(2009年)はレッドワンらと組んでアーバン寄りの側面を強調した佳作だった。それでもケヴィンの復帰が2012年に正式発表されたことで、ピースが収まったような気分になった人は多いだろう。今回の『In A World Like This』はそんな長年のファンに捧げられたプレゼントでもあるのだ。

先行シングルの表題曲は、BSBと共にトップへの道を歩んできたプロデューサー、マックス・マーティンの手によるもの。迷いなくポップな旋律と5人のエモーショナルなハーモニーが美しい同曲を軸に、アルバムにはヒットメイカーのマーティン・テレフェらが参加。メンバーと共に作り上げた楽曲群は、大人っぽいマイルドさを増しつつも変わらないBSBの魅力を改めて教えてくれるものだ。

なお、〈NKOTBSB〉ツアーを共に敢行したニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック同様、BSBも自分たちのレーベルを設立し、新作はその第1弾でもある。そのレーベル名〈K-BAHN〉の5文字が意味するものは、もう説明するまでもないだろう。



▼関連盤を紹介。
左から、バックストリート・ボーイズの2009年作『This Is Us』(Jive)、NKOTBSBの2011年作『NKOTBSB』(Columbia)