アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! 倉内太が、愛しているからこそ言いたくなる〈こいつバカだー〉盤、聴くと爆笑してしまう盤を紹介します! なんとなく鬱々した時、飽き飽きした時、笑えなくなった時にどうぞ!
銀杏BOYZ 『DOOR』 初恋妄℃学園
こんにちは。僕が今日いちばん好きな曲はこちらです。
高田渡“夕暮れ”
吾妻光良& The Swinging Boppers“カミさん不細工な方がいい”
銀杏BOYZ“人間”
今日はこのなかから“人間”が収録されている銀杏BOYZ『DOOR』を紹介します。
この3曲は、初めて聴いた時、どれもこのように思いました。
〈音楽か?〉
音楽ってこんなに近くておもしろいものだったかしら、と。
好きな気持ちの模様に合う言葉があるし、
楽器が近くにあるからちょっとやってみようか。
顔にぶつかってくる蝶々、かゆうい、細かな模様。
紙に書かれた文字っていいけど、
声で聞く言葉には不安定さがあっておもしろい。
話し声にリズムと抑揚がついたもの。
音楽の服を脱がせると、歌になる前の、ただ喋っている頭。
僕は偉そうに音楽を語ろうとするけど、
一生懸命作った歌より、あの娘の適当な鼻歌のほうがよっぽど音楽だったりする。
僕が好きな“人間”は極めて裸に近い感じのまま録音されているよう。
弱い人や上手くいかない人、うんざりしている人の喜びになる音。
芸術がある理由は17個くらいありますが、
そのなかのひとつに〈現実逃避〉という心の栄養があり、
もうひとつに社会生活を営む人間の間で行われる、知覚・感情・思考の伝達の手助けがあります。
僕はこの2つに興味がありますし、その2つを突き詰めていきたいですよ、お嬢さん。
だから僕は銀杏BOYSが好きだし、ベイビーシャンブルズが好き。
あと、自分の音楽が好き。
今回でこちらでの連載は終了となります。
どうもありがとうございました。
倉内太のアルバム『刺繍』。
ぜひ聴いてみてください。
僕が喋ったり叫んだりしているのが歌になって入っております。
読んでいただいてありがとうございました。
またどこかで待ち合わせ。
PROFILE/倉内太
83年、埼玉生まれのシンガー・ソングライター。2005年よりバンド活動を開始。2008年に倉庫内作業員のアルバイトに採用されたことがきっかけとなって意欲的に曲作りを始め、弾き語りライヴも行うようになる。2009年に自主制作でファースト・アルバム『倉内太と彼のクラスメイト』をリリース。2012年5月に倉内太&ネイティブギターを結成し、バンドでのライヴ活動もスタート。2012年9月に店舗限定でシングル『LIKE A RHYTHM GUITAR』を、11月に初の全国流通盤となるアルバム『くりかえして そうなる』を発表。そして今年5月にセカンド・アルバム『刺繍』(DECKREC)をリリースしている。 今後の予定は、9月8日(日)に浦和クークーバードにて弾き語りワンマン・ライヴを行うほか、イヴェント出演も多く予定されています! その他最新情報はこちらのサイトでチェック!