ロンドン在住のバンド・BO NINGENが、現地の音楽やアートにまつわるあれこれを紹介する連載! 第8回はKohhei(ギター)が夏の本隊以外での活動やロンドンで行われたさまざまなイヴェントについて語ってくれます!
夏の日本ツアーから帰国し1か月。ロンドンはすでに晩秋ですが、そちらはいかがでしょう。
本日はツアー続きで半壊状態のギターをリペアに出してまいりました。電車を乗り継いで1時間ほど、久々の川越え。南ロンドンはパットニーという、名前ほどにはパッとしない地区に、南時代(シビル・ウォーではなくて南ロンドンに8年住んでいたという意味で。6月に引っ越したのでいまは北時代)に世話になったリペアマンが工房を構えているので、遠いんだけれども信頼しているのでわざわざ。
Guitar Aid。引っ越したばかりでまだ工事中
今回の連載、いつも通り、みんなと同じように時系列で、日記形式で行こうかと思ったのですが、多層的に流れる時間のせいか、移動のエグさによってどこに合ってるのかわからない時差ボケのせいか、大好きな中南米文学のせいか、あるいはその全部が共謀して……なのか、時間/距離感覚が消失しているので、やった仕事、行った場所を順不同に書きます。
しかし、この白昼夢感はいつ始まったんだろうなー、とたまに思う。英語と日本語、音楽と視覚芸術、文学と漫画、左と右、素面と微酔い、泥酔と覚醒、東京とロンドン、夢と現……の間の横断/スイッチングが頻繁すぎて、全部が同時に起こってる錯覚/リアル。
まずは前回のモンちゃんと被りますが、夏のBO NINGENの日本での活動以外の事柄を。盟友サイモン・ファウラーとの2人展の様子です。
大阪・Pulpにて
メディアプレイヤーのブラウズ画面が標準でジャケ表示になってる(バンド名じゃなくてヴィジュアルで覚えているから)、やや変わった友人・田窪氏の誘いで実現した、大学卒業以来初めての展覧会。大阪・南堀江はPulpにて。カセットテープと、前日にPulpオフィスで発見した名器・Korg Electribeを用いた演奏も。ギターなしのステージは久々だったので緊張し、裏にテープを置き忘れて途中で取りに行くというハプニングもありつつ、滝のような汗を蒸気に変えて(本当)無事終了。ヴァイナル盤にそれほど思い入れがない代わりに、カセットテープには妙な執着があります。幼い頃のカーステの記憶か。
Pulpにて。暑すぎて、そして照明の熱で手元から蒸気が
この後、友人の誘いで、2人展を恵比寿LIQUID ROOMの2階にあるギャラリーKATAにて行うことになります。
東京ということで演奏家の友人も多いため、オープニングでは18歳の時にロンドンで出会って以来の友人、そしてBO NINGENやDay and Buffalo、下山(+tenniscoats)などの照明で活躍するタカシくん(ギター/照明。ちなみに僕に最初にギターを教えてくれた人。感謝)、呑み仲間であり、いつもフレッシュな辺境音楽を提供してくれるウメちゃん(ギター)、東京を拠点に活動する前衛ガールズ・Group Aの2人(ヴァイオリンとシンセ/パーカッション/ヴォイス)、に不肖・私(シンセ。買ったばっかで使いたかったから……とざっくりしたダイレクション)の5人編成で演奏。かなり良い感触でした。展示されているアートワークに順番にスポットが当たる演出も素晴らしく、もちろん、5人が紡ぐ音も渦を巻いて上へ下へ。特に僕が数年来ソロ・ギターで演奏している曲を5人用にリアレンジした第2部がかなりサブライム。
そしてだいぶ飛んで、北海道。マネージャー氏に連れられて訪ねたナイスなバーで轟沈。翌日の〈RISING SUN〉出演に備え、私は就寝。いろんな意味で感慨深い〈RISING SUN〉を終え、行方不明のモンちゃんを置いてホテルへ。午前零時、欧州へ出発する5時間前に始まった自由行動。それから成田→ヒースロー経由でオランダへ……というキツめの流れは前回のモンちゃんの稿に詳しいです。
地獄の移動を終え、無事(ギターは半壊してますが)にロンドンの自宅着、午前2時。しかし、ツアー中に部屋を貸し出していたため、部屋に入れず。一方で家にも入れなかったモンちゃんと共にキッチンにて呑む。このへんから時系列が乱れはじめる。
ライダーとして提供されたワインなど。自宅キッチンにて