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【第26回】――ジョニー・ペイト

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2013/11/20   00:00
ソース
bounce 360号(2013年10月25日発行)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】JOHNNY PATE 『Shaft In Africa』 ABC/THINK!(1973)

以前、この連載で映画「黒いジャガー」こと〈Shaft〉のサントラを紹介しましたが、この映画、実は3部作なんです。もちろん各々サントラがリリースされていて、なかでももっとも評価が高いと言われているのが、73年発表の3作目「黒いジャガー/アフリカ作戦」(原題は『Shaft In Africa』)のものです。個人的にも、ブラック・ムーヴィーのなかではいちばん通して聴けるサントラで、シリーズ初作はアイザック・ヘイズがプロデュースしていましたが、こちらは映画「スーパーフライ」のサントラにもアレンジャーとして参加していたというジョニー・ペイトが手掛けています。もうね、とにかく良くて、見事にアイザック・ヘイズ盤を上回ってる感が出てますよ。

テーマ曲のフォー・トップス“Are You Man Enough”がめちゃめちゃカッコイイんです。ファンクファンクしてると渋すぎるし、ポップス度が高すぎるとこういう映画には合わない……っていうところのすごくイイ塩梅に仕上がっています。尺もちょうどいいんですよね、どの曲も2分〜3分弱くらいで、ほぼ挿入歌ばかり。アイザック・ヘイズはロマンティック海坊主なだけあって、長尺のピアノ・インストとかを入れてましたが、こちらはとてもわかりやすいポップソングばかり。あと、全体的に音が男っぽい雰囲気だと思いました。「太陽にほえろ!」とか、かつての刑事ドラマの音楽に近いサウンドですよね。やっぱりその頃の日本映画/ドラマへの影響が大きいんだろうな。ちなみに、“Shaft In Africa(Addis)”がレア・グルーヴ・アンセムと言われている曲なんですが、一時期MUROさんがDJをする時は、前のDJがこの曲を最後にかけてMUROさんへバトンタッチするというのが流行ったみたいで、どの現場へ行ってもそうやって渡されたんだそうです(笑)。

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このサントラは以前にもCD化されていたのですが、すぐに廃盤になってしまったようで、今年めでたく初の日本盤でリイシューされました。MUROさんがライナーノーツを書いています。また〈黒いジャガー〉シリーズの2作目〈シャフト旋風〉(原題は『Shaft's Big Score!』)のサントラも別の人(ゴードン・パークス)がプロデュースをしていて、いい出来なんですよ。これはこのシリーズの3作セットが出てるので、そちらで聴けますよ。映画本編自体は……まあどれもノーコメントですけど(笑)、音楽は最高です。



▼〈Shaft〉シリーズのサントラ3作セット『Shaft Anthology: His Big Score And More』(Film Score Monthly)

 

PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。11月6日にニュー・シングル“SEXY BODY”(ARIOLA JAPAN)をリリース!  学園祭にも出ます! また11月13日に発表されるRIP SLYMEのニュー・シングル“SLY”にベースで参加しています。詳しくは〈www.okamotos.net〉へGo