充実のプログラムで1月に日本に帰ってくる!
右:イ・ヨンジョン 左:イ・ドンタク
韓国初の民間プロフェッショナル・バレエ・カンパニーとして、1984年に結成されたユニバーサル・バレエ。創立/創設メンバーは、長らく同団でプリマを担い、アジア人として初めてキーロフ・バレエ(現マリインスキー)からゲスト・プリンシパルとして招聘された経歴を持つジュリア・H. ムーン現団長と、初代監督のエイドリアン・デラス=ソーントンらである。デラスの後には、ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)やアメリカン・バレエ・シアター出身のダニエル・レヴァンス、元NYCBのメンバーで日本のバレエ普及にも貢献したロイ・トバイアス、同じくバランシンらの元で踊ったブルース・スティーヴェル、元マリインスキー・バレエのオレグ・ヴィノグラードフが芸術監督を歴任。したがって、マリインスキーのオーセンティシティと共に、バレエ・リュスやNYCBというバランシンのDNAをも持つ団体といえるだろう。現在はブライアン・ユが芸術監督を引き継ぎ、欧州コンテンポラリー・バレエの巨匠らの作品も上演するなど、新たなステップへと踏み出している。
また、現在ダンサーたちの殆どは、ワシントンD.C.に置かれたキーロフ・アカデミー・オブ・バレエ(旧称ユニバーサル・バレエ・アカデミー)にて統一された教育方針のもと、ワガノワ・メソッドを身に付けてから入団している。
そのユニバーサル・バレエが、2014年1月末に再びやってくる。何度も来日しているカンパニーではあるが、今回創立30周年記念ということもあって、特に充実のプログラムが用意された。
まず前半第1部は古典からのセレクトで、特に有名な《白鳥の湖》からは、湖畔で出会ったジークフリートとオデットが愛を育みながら踊るグラン・パ・ド・ドゥ(GPdD)や、白鳥たち(コール・ド・バレエ)の様々な魅力が味わえる第2幕(第1幕第2場)を、続いて《海賊》ではコンクールでも有名なアリのヴァリアシオンを含んだメドーラとのGPdDの第2幕、さらにクラシックの超絶技巧を見せる《グラン・パ・クラシック》に《エスメラルダ》に挿入された〈ディアナとアクティオン〉と、見応えたっぷりの内容だ。
第2部は2012年に初めて日本で披露したコンテンポラリーのジャンルからで、モーツァルトの曲に振り付けた躍動的でコミカルなキリアン《6つの舞曲》、チャイコフスキーの《悲愴》やヤナーチェク、ストラヴィンスキー、マスカーニ、マスネを用いながら、タンゴの香りをも感じさせるひねりの利いたマネン《ブラック・ケーキ》、そしてドビュッシーの音楽に沿った幻想的なナチョ・ドゥアト《ドゥエンデ》の3作で構成されている。
ダンサーは8名のプリンシパルのうち、名実共に同カンパニーの顔であるオム・ジェヨンと、彼の公私ともにパートナーのファン・ヘミン、さらにカン・ミソンやノヴォショーロフら6名の他、入団3年目で期待のソリスト、イ・ヨンジョンらも来日が予定されている。彼らがどの作品を踊るかを予想しながら楽しみに待ちたい。
なお、東京シティ・バレエ団の志賀育恵がゲスト参加。
公演情報
『Universal Ballet Special Gala -ユニバーサル・バレエ30周年記念-』
●2014/1/29(水)30(木)
会場:ゆうぽうとホール
http://universalballet.jp/