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【第26回】――bump.y

連載
ZOKKON -candy floss pop suite-
公開
2014/01/08   18:00
更新
2014/01/08   18:00
ソース
bounce 362号(2013年12月25日発行)
テキスト
インタヴュー・文/ピ〜ス!久保田


楽しみながらパフォーマンスしたいです



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彼女たちのファンの皆さん、そしてアイドルに純度の高いポップスを求める〈こだわり〉のリスナーの皆さんも、お待たせしました! ついにbump.yのオリジナル・ファースト・アルバム『pinpoint』が完成しましたよ!

「他のアイドルさんがアルバムを出していたりするのを見て、私たちはいつ出させてもらえるんだろう?って思ってたんですけど、4年目にして出せるっていうことは、普通にポコンと出すよりもありがたみがあるし、ずっと応援してくださった皆さんにも気に入ってもらえるものになったんじゃないかなって思います」(松山メアリ)。

5人それぞれが女優としても活躍するbump.y。活動ペースの緩やかさはそれゆえとも言えますが、Sweetune作の“Kiss!”や、TEAM Hの日本語カヴァー“ガラゲッチャ〜GOTTA GETCHA〜”など、届けてきた楽曲は多種多様……で、そんな彼女たちが2013年にリリースした2枚のシングル“COSMOの瞳”“SAVAGE HEAVEN”で組んだプロデューサーが、NONA REEVESの西寺郷太。その流れから生まれた『pinpoint』では全曲を彼が手掛けているのだ。

「ドラマの撮影現場で〈誰がプロデュースしてるの?〉って訊かれて〈西寺郷太さんです〉って答えると〈すごいね!〉って言ってくださる音楽好きの方が共演者のなかにたくさんいて」(桜庭ななみ)。

「曲の印象がそれぞれ違うので、最初はどう歌っていいのかわからない曲もあったんですけど、例えば“CRY”(西寺が小学生時代に書いたという曲に、湯川れい子が震災直後にしたためた歌詞を乗せたコーラス曲)という曲だったら〈体育館で合唱しているイメージで〉とか、西寺さんがわかりやすくアドバイスしてくださって」(宮武 祭)。

「〈この曲は誰々が歌ったほうがピンとくるかも知れないんだけど、ここはあえてこのコで録りたい〉とか、西寺さんのなかで構想が出来上がっていて、実際に歌ってみたら私たちも〈なるほど〜!〉ってなるんです。私たちの声や特徴を私たちよりも理解してらっしゃるんですよね」(宮武美桜)。

「西寺さんや谷口(尚久)さんの歌詞ってすごく共感できるので、歌いやすいんです。西寺さんは、事前に私たちから女心とか恋心を聞き出して、それから詞を書いてくださったりもしているので、感情も込めやすいし、乗りやすいですね」(高月彩良)。

「西寺さんは普段から他愛もない話をたくさんしてくれるんですよ。そういうところで私たちの引き出しを開けてくれてるんだなって思います」(メアリ)。

アルバムに収められた楽曲には、80年代の〈洋楽〉に由来する西寺のルーツ——エンターテイメント性の高いカラフルなアレンジと力強いメロディーが練り込まれている。ストリングスのイントロで幕を開けるエモーショナルな“孤独にVIVID”をはじめ、ホワイト・ソウルのイディオムを盛り込んだ“恋は pinpoint”、欧州的エレガンスを備えたメランコリックな“傷痕 HEAVY SOUL”など、初めてアイドルのアルバム全編をプロデュースした西寺の意気込みと、それを意気に感じながらハツラツとパフォームする彼女たちの姿が、そこからVIVIDに浮かび上がってくるはずだ!

「西寺さんにいろんなbump.yを引き出していただいたぶん、ライヴのときに〈アルバムと印象が違うよ〉ってならないように、ファンの皆さんの前で楽しみながら披露できるようにしたいですね」(メアリ)と嬉しいお題も課せられた彼女たちですが、自分たちでもリスナーとして〈自慢の逸品〉を存分に楽しんでいるそうで。

「このあいだも気が付いたら6回ぐらいリピートしてましたよ(ニコッ)」(祭)。



▼bump.yの作品を一部紹介。
左から、初期音源を集めた編集盤『Happy! Lucky! bump.y!』(ソニー)、2013年のシングル“COSMOの瞳”“SAVAGE HEAVEN”(共にポニーキャニオン)