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BLAME IT ON BOOGIE

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NEW OPUSコラム
公開
2013/08/29   16:30
更新
2013/08/29   16:30
ソース
bounce 357号(2013年7月25日発行)
テキスト
文/JAM


ブギーの伝説=スティーヴ・アーリントンとデイム・ファンクのコラボ作が登場!!



デイム・ファンクがスティーヴ・アーリントンと組むというニュースに痺れてから約2年——かくしてその日は本当にやって来た。デイム・ファンクの情熱的なプロデュース・ワークにアーリントンがブランクをまるで感じさせないパフォーマンスで応える『Higher』は、音楽的リアリズムに裏打ちされた、稀に見るカムバック・アルバムと言えるもの、だ。

アーリントンと言えば、スレイヴ絶頂期のドラマー&看板シンガーとして鳴らし、その後ホール・オブ・フェイムなるバンドのリーダーとしてセカンド・キャリアも成功裏に歩んだ80sレジェンドの一人。一方のデイム・ファンクはそんなアーリントンからの影響を公言して憚らない、スレイヴ・チルドレンのようなサウンド・クリエイターで、そんな二人が緊密に作るアルバムとなればドキドキしないはずがない。で、アルバムは〈懐かしみ〉やら〈憧れ〉やらをパックした趣味的な作品集ではなく、あくまでもデイム十八番のレシピで〈アーリントンは今ならどうあるべきか〉を問う内容になっている点が凄い。2013年屈指のブギー・ファンク集、ここに誕生である。



▼関連盤を紹介。
左から、スレイヴの80年作『Stone Jam』(Cotillion)、デイム・ファンクの2012年のEP『I Don't Wanna Be A Star!』(Stones Throw)