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【第24回】――ワッツタックス

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2013/09/11   00:00
ソース
bounce 358号(2013年8月25日発行)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】「ワッツタックス/スタックス・コンサート」 ワーナーホームビデオ(1973)

夏フェス・シーズンということで、今回はフェスの映像作品を紹介したいと思います。これは72年にLAのメモリアル・コロシアムでスタックスが開催した野外コンサートのドキュメンタリー映画「ワッツタックス/スタックス・コンサート」。〈黒いウッドストック〉とも呼ばれた、黒人による黒人のための祭典といった感じですね。オープニングには人種の誇りについての演説があったり、時代背景も窺えて、ただの音楽イヴェントではなく、社会的な意味合いが強いものだったんだなというのがわかります。あと、ライヴ映像の合間に口の悪い黒人の一般の人たちが、〈黒人っていうのは……〉と語っている、ちょっと笑えるシーンが挿まれていたりも。

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個人的に思うライヴの観どころは、まずルーファス・トーマスのパフォーマンス。オーディエンスはスタンドの自分の席で踊っているのですが、どんどんテンションが上がっていって、柵を越えてステージがあるフィールドにどんどん流れ込んできちゃうんですよ! そのままステージに駆け寄るのかと思いきや、その周りで狂ったようにみんな踊り出して……。その様子は本当に圧巻です。ルーファスが〈怒られちゃうからまだ下りてくるな!〉とか言ってるのもイイ。彼の全身ピンクの衣装もスゴイです(笑)。もうひとつはバーケイズ。“Son Of Shaft”っていう〈シャフトのテーマ〉が売れたから作ったような曲を演るんですが、それが本家よりもカッコイイ。こんな説明いらずのファンキー映像はなかなかない。観たらわかる!……みたいな。ちなみにこちらの衣装も相当なものですよ、白アフロとか(笑)。また、トリを務めたアイザック・ヘイズはロールスロイスで登場! 〈シャフトのテーマ〉で大盛り上がりして締め括られるシーンももちろんハイライトです。

あと、観客を含めて本当にみんなオシャレなところも印象的でした。高校生の頃に友達と〈絶対おもしろいはずだよね〉と言いながら初めて観たのですが、そのファッションに影響を受けてズットズレテルズの衣装が決まっていったという繋がりも。また、映画自体はトータルで1時間半ほどで、実際のライヴ映像はだいぶ端折られているのですが、このイヴェントの3枚組ライヴCDに全貌が収録されています。かなり聴き応えがあるので、併せて聴いてみるのもいいと思いますよ!

 

PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。最新シングル『JOY JOY JOY/告白』(ARIOLA JAPAN)が大好評! 8月29日に神戸、9月8日に東京で黒猫チェルシーとのスペシャル・ライヴを行うほか、イヴェント出演も続々と決定しています! 最新情報は〈www.okamotos.net〉へGo!