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ジャズ@大和田 日野皓正コンサート

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公開
2013/08/23   20:01
ソース
intoxicate vol.105(2013年8月20日発行号)
テキスト
text:上村敏晃

渋谷の新文化発信基地=渋谷区文化総合センター大和田に“ヒノテル”が登場。
若手精鋭たちとのジャズ伝承セッションで、日野皓正の考える「ジャズ」を目撃せよ。

2010年秋に、東京・渋谷に誕生した渋谷区文化総合センター大和田。この新しい文化発信基地で、今年3月に開催されたジャズ・フェスティバルはすこぶる好評であったが、来たる9月22日に「ジャズ@大和田」として開催されるのが「日野皓正コンサート」だ。

いうまでもなく日野皓正は、名門ジャズ・レーベル、ブルーノートと日本人演奏家として初めて契約するなど、世界的な活躍でも知られるトランペット奏者である。彼は最近、dj honda、次男の日野JINO賢二と結成したユニット「日野皓正 h factor」による、ジャンルを超越した刺激的な新作アルバム「unity―h factor―」を発表したばかりだ。しかし、9月の「ジャズ@大和田」のステージに登場するのは、このユニットではなく、日野率いる5人編成のクインテットだ。メンバーは、ギターの加藤一平、ピアノの菊池太光、ベースの楠井五月、ドラムスの福森康。皆、若手の精鋭である。近年、日野が音楽活動の一環として情熱を傾けていることの一つは、才能豊かな日本の若手プレイヤーを集めて自身のオリジナル・バンドで演奏することであり、このクインテットはそのベクトルの延長線上に生まれたバンドであるといっていいだろう。

じつは、日野皓正は、若い有能なプレイヤーたちを自身のバンドに招き入れ、一緒に演奏することで、ジャズの何たるかを伝えながら、示唆を与え、育てる、ということを長年にわたって続けてきた。そして、さらにジャズ・アーティストとして飛躍を遂げた彼らは、日野のバンドを退団してからも、傑出したプレイヤーとして活躍することが多い。「ジャズ@大和田」のステージに登場する、日野と若手の精鋭たちによって結成されたバンドは、演奏を重ねることで、バンドとしてのどのような「かたち」を生み出しているのだろうか。日野の卓越したトランペット・ソロだけでなく、このバンドならではの「ジャズ」の独自性に注目したい。

ジャズ@大和田 日野皓正コンサート
9/22(日)15:30開場/16:00開演
出演:日野皓正(tp)加藤一平(g)菊池太光(P)楠井五月(b)福森康(ds)他
会場:さくらホール(渋谷区文化総合センター大和田)
http://www.shibu-cul.jp/

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