トップ > ひさしぶりです。
カンヌに言ってまいりました。三年続けて、9年前から断続的に参加してきた音楽見本市、 Midemですが、正直、今年が節目となるような気がします。
背景も歴史も、規模も相当なものでしたが、とうとういろんなレベルで翳りがみえてきました。ミデムは、本来音楽に関するあらゆるビジネスレベルでの情報を持ち寄り、対外的な商談をするための、場所でした。CDを売る人、アーティストを売り込む人、新しいパッケージを売り込み人、新しい音楽情報誌のお披露目など様々な目的でビジネスマン、アーティストが集まってきます。
近年では、携帯、デジタルなどの配信などが、話題をリードしてきていました。かつてタワレコも、毎年、相当数のスタッフを送り込み、商談をまとめたり、新しい音楽やメディア、インフラの情報を取材してましたが、今年は、参加されたのは少数だったと聞きました。全体に、出店ブースの数もへり、イベントの数もへり、希望もへり、増えたのは不安だけ?というのが、今年ミデムの大方の印象でした。そんな中でも、中国だけが、北京五輪の前とあって、ミデムのオープニングを、どはでなイベントで煽ってました。日本は、かつてのエーベックスのようにユーロビートを買い漁るような勢いもなく、ジャズとクラシックだけが、例年通りビジネスをつつましく維持しているという風情でした。
デジタルVSフィジカルという観点だと、インフラ的には、デジタルの勝ち!なんでしょうね。では、フィジカルがまけたのかというと、ミデムを見る限り、音楽不在、というよりアーティスト不在という意味では、そもそも、この場所は、もはやデジタルインフラ(オンラインも含む)ビジネスのためだけにあるような気がしています。彼等に取ってみれば、音楽は空気や水のようにただ、のようなものらしいのですが、すでに、人は、お金をだして水を買い、お金をだして空気を浄化しているのだから、音楽も安易なものであふれて、汚れてくれば、掃除が必要になり、いいものが欲しければ、探さないといけないのだから、いいもの、良い音楽には、人はお金を払うはず。それはCDという形が主流ではないというのが事実だとしても。それに、アーティストの才能は、フィジカルなものなのだから。
まあ、いろいろ思うけれど、よい音楽を聞いてほしいし、良い音楽を紹介し、制作したい。けれど、これからはCDというメディアが、音楽ビジネスのメインフレームではない!というのは、まあ誰がみても明らかなようです。次は何という意味では、もはやそれも答えが出ていると思うのですが、みなそれに向けて準備中なんですな、今は。