穐吉敏子

　嗚呼、穐吉敏子サン!!　この人がいなかったら、ニッポンのJAZZは現在とは全く違ったモノになっていたデショウ…なんてオレが声高に叫ばなくても、ジャズ通のミナサマは「そんな事アタリマエヤガナ、オッサン」という気持ちでありましょうが、イヤイヤ、名前を知っていても「今まで聞いたことアラヘンワー」というワカモノ（バカモノッ!!　いや馬鹿はオレか、スマンスマン）が万が一少しでも居ると考えると、心配性のオレは不安で夜も眠れないのです。だから「聴いたことあるに決まってるワァ」という批判を全身で浴びる覚悟でオレは大声で「穐吉さんを聴け!!」絶叫させていただきたいｯ!!　なんでそう言いたいかというと色々あるのであるが、結局、その生き様がJAZZであり、そのバイオはそのままJAZZ史そのものであり、ゆえに、穐吉さんなくしてニッポンのJAZZはないからであります。例えば53年にオスカー・ピーターソンの推薦でワールド・デビュー盤『トシコ』を発表。56年にはバークリー留学を果たし、62年にチャールズ・ミンガス・バンドに参加、73年には夫のルー・タバキンと共に自己のBIG・BANDを立ち上げ、99年にはINTERNATIONAL JAZZ HALL OF FAMEを受賞。いずれも当然のように「ニッポン人初」のコトガラばかりである!!　しかるに、これらなくして現在のようなニッポンJAZZMENの海外での活躍はナカッタと思う。だからニッポンのJAZZファンは全員、穐吉さんを聴け!!　丁度そんな折に穐吉さんの新譜『TOSHIKO AKIYOSHI LIVE 2004』が出ます。代表曲《LONG YELLOW ROAD》、《HOPE》といった自作曲やスタンダードを、ソロ・ピアノで聴かせる、正に穐吉さんの素晴らしさが充満した傑作です!!

TEXT：本橋卓（タワーレコード渋谷店）

秋吉敏子
『ソロ・ライブ2004』
[スタジオソングス  YZSO-10001] 10/14発売

＊ライヴ・インフォメーション＊
10/20（火）赤坂ビーフラット
10/21（水）茅ヶ崎市民文化会館
10/24（土）大阪市豊能町ユーベルホール