POPなパンクの金字塔!NO.1ロック・バンド、グリーン・デイのグラミー2冠アルバム『アメリカン・イディオット』(2004年)に続く、5年振りの作品!シンガー/ギタリストのビリー・ジョー・アームストロング、ベーシストのマイク・ダーント、そしてドラマーのトレ・クールは、2006年初頭から本作の曲作り、アレンジそしてレコーディングに取り掛かった。プロデューサーはNirvana、Smashing Pumpkins、Garbage等との仕事で知られているブッチ・ヴィグ。本作は、“Heros And Cons(ヒーローと反対論者)”、“Charlatans And Saints(いかさま師と聖人)”、“Horseshoes And Handgrenades(馬蹄と手榴弾)” の3部に分かれた作品であり、若いカップル、クリスチャンとグロリアが今世紀がこれまでに抱えている混乱と期待の中を生きていくさまを描いている。ローリング・ストーン誌は本作を「『アメリカン・イディオット』を超える野心的な作品」「頑固なパンクの理想が詰まったアルバム。しっかりと書かれ、絶えず昇り詰めているような伝統的なロックの高揚がここにはある」と評している。
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タワーレコード
〈前代未聞のパンク・オペラ〉と絶賛された前作で自身のスタイルを確立した彼らが、5年の歳月をかけて完成させただけあってその内容はズッシリ重い。ファンの間でも好みは分かれるだろう。しかし、〈スクラップ&ビルドこそパンクの本質〉と、音そのもので証明したかのようなニュー・アルバムは、やはりパンク・ファン必聴と断言したい。冒頭と本編ラストに街の雑踏を連想させるスキットが挿入されたことからも窺えるように、今回は架空の若者2人を通じて日常の側にあるカオスを描いている。社会情勢に対する怒りをブチ撒けた前作に比べて歌詞の内容は身近なものとなり、より共感できるあたりも高ポイントだ。〈前代未聞のパンク・オペラ〉には、まだ続きがあったのである。
bounce (C)宮原亜矢
タワーレコード(vol.310(2009年05月25日発行号)掲載)