ロック・バンド、ZAZEN BOYSの前作より4年振り(2012年時)のリリースとなるアルバム。奇妙かつシンプルな歌詞に、コード、リズム、旋律がバラバラでありながら一体感をもって迫ってくる意欲作。 (C)RS
JMD(2012/08/06)
2012年に入り今作の製作を本格的に開始したZAZEN BOYS。リフを中心に形を作っていくセッションを幾度も重ね、アレンジの試行錯誤を繰り返し、アンサンブルを強化するために反復が行われた。オーネット・コールマンが提唱するところの「ハーモロディック理論」を向井秀徳なりに解釈し、向井にとっての"ポップな音"として結実した作品たちが収められている。「ポテトサラダ」ではポテサラが食いたい、というだけの歌であり、「天狗」は、いつか見た風景、妄想、そしていま眼前にある事実現実をマゼマゼにしている歌とのこと。"奇妙かつシンプル"な歌詞にも注目。
スペースシャワー
発売・販売元 提供資料(2012/07/24)
〈繰り返される諸行は無常/それでもやっぱりよみがえる性的衝動〉──お馴染みの前口上で幕を開ける4年ぶりの新アルバム。前作は従来の変拍子ファンクと打ち込みによるアプローチとが並置されており、分裂スレスレのスリリングな魅力を放っていたが、ここではそれらの要素が溶け合って統一された音像を結んでいる。ミニマルに研磨された複雑なアンサンブルとアーバンな風合いのシンセが絡むことによって、異形でありながら軽やかな、誰もが飛び込めるグルーヴが練り上げられているのだ。ニッポンの夏をディープ・ハウスで表現した表題曲をはじめ、いちいち言及したい曲ばかりだが、とりわけ凄まじいのが“サイボーグのオバケ”。強烈なダンス衝動と爆笑を同時に喚起する様はPファンクさながら!
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.347(2012年8月25日発行号)掲載)