2013年、ゼッドの「クラリティ」に客演したことでその唯一無二の歌声が一躍注目を浴びたUKポップス・シーンのシンガー・ソングライター、フォクシーズのセカンド・アルバム。シングル・カットされたディスコ調のノスタルジックなポップ・チューン「ボディー・トーク」などを収録。 (C)RS
JMD(2016/01/14)
かつてはネオン・ゴールドに籍を置き、ゼッドとの共演で一躍脚光を……というキャリアを活かしてアッパーなレイヴ・ポップを柱に据えたデビュー・アルバムから2年。この2作目ではリック・ノウルズやダン・ウィルソンを新たに起用し、ヴォーカルにグッと焦点を絞ってきました。そうした顔ぶれからアデル路線を想像してしまいますが、ドラマティックなバラードであっても格調の高さはなく、わんぱく歌唱のせいかトコトン庶民派なのがこのキツネちゃんの可愛いところ。そして、レディ・ガガ"Poker Face"似の"Body Talk"だったり、うっすらソカを用いてトロピカル・ハウスに接近した"Cruel"だったり、前作の延長線上にある電飾キラキラ系においても、派手なアレンジよりまず歌の強さに惹かれるはずです。そんな本作のハイライトは、やはりベイビーフェイスが提供した伸びやかなスロウ"Scar"でしょう。ジャケのノーブラ姿に違わず、シンガーとしての生の魅力を伝えようとした意欲作!
bounce (C)山西絵美
タワーレコード(vol.388(2016年2月25日発行号)掲載)