ロバート・ジョンスンからホワイト・ストライプスまで、数多くのミュージシャンに影響を与えた伝説のギター・エヴァンジェリスト(伝道師)、ブラインド・ウィリー・ジョンスンのトリビュート・アルバム! (C)RS
JMD(2016/01/30)
美しいほどに強烈なダミ声と卓越したスライド・ギターでプリーチした、戦前テキサスの偉大なギター・エヴァンジェリスト(伝道師)、ブラインド・ウィリー・ジョンスン。ボブ・ディランやエリック・クラプトン、レッド・ツェッペリン、ライ・クーダー、ニック・ケイヴ等、ロック・ミュージシャンの信奉者も多い彼のトリビュート・アルバム。クラウドファンディングによって実現した好企画盤。トム・ウェイツ、デレク・トラックス&スーザン・テデスキに加え、シネイド・オコナー、リッキー・リー・ジョーンズ等、参加ミュージシャンも超豪華。比類なきブラインド・ウィリー・ジョンスンの音楽――その生々しく、ひりひりしたむき出しの美を、選りすぐりのアーティストたちが称える。ブラインド・ウィリー・ジョンスンの「Dark Was the Night, Cold Was the Ground」は、1977年にボイジャー号に積載されたレコードにも収められた。本作ではリッキー・リー・ジョーンズがカヴァーしている同曲は、ライ・クーダーが映画『パリ、テキサス』(1984年)のテーマ・ソングとして取り上げたことでも有名。
P-VINE
発売・販売元 提供資料(2016/01/21)
ゴスペル音楽の源流の一つBlind Willie Johnsonはその卓抜したスライド・ギターの技術と歌声から後のブルース、ロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた存在であるが故、ギター・エヴァンジェリストと称されもする。そんな彼のトリビュート作品に並ぶのは錚々たる面々。テデスキ=トラックス夫妻やトム・ウェイツらがブルース的側面を浮かび上がらせる一方でブラインド・ボーイズ・アラバマやシニード・オコナーのソウルフルなパフォーマンスがゴスペル要素を呼び起こす。その後枝分かれしていったそれぞれの音楽が、再び一堂に会すことで源泉の妙味を再発見できる好企画盤である。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.120(2016年2月10日発行号)掲載)