20世紀前半に生み出されたきわめて個性的な相貌を持つ3曲のオーケストラ作品の"最も理想的な姿"として、発売当初から高い評価を得てきたジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団の極め付きの名演奏を1枚にカップリング。19世紀末、オーストリア=ハンガリー帝国の残照の中で生まれ育ったセルにとって、ヤナーチェクやコダーイなど東欧の作曲家の音楽はまさに母国語といえるべきものであり、その独特の音楽語法の魅力を余すところなく具現化しています。 (C)RS
JMD(2018/01/30)
タワーレコード x "Sony Classical"究極のSA-CDハイブリッド・コレクション第4回発売
~20世紀が生みだした個性溢れるオーケストラ曲の神髄を浮かび上がらせたアナログ時代の決定盤。世界初SA-CD化!~
■20世紀が生んだ個性派オーケストラ曲3曲の名盤
20世紀前半に生み出されたきわめて個性的な相貌を持つ3曲のオーケストラ作品の「最も理想的な姿」として、発売当初から高い評価を得てきたジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団の極め付きの名演奏を1枚にカップリング。19世紀末、オーストリア=ハンガリー帝国の残照の中で生まれ育ったセルにとって、ヤナーチェクやコダーイなど東欧の作曲家の音楽はまさに母国語といえるべきものであり、その独特の音楽語法の魅力を余すところなく具現化しています。通常より遅めのテンポで明確なアクセントをつけて開始される「シンフォニエッタ」、あらゆる音楽的モチーフが明晰に浮き彫りにされてゆく「ハーリ・ヤーノシュ」、そしてクリーヴランド管の名技性を余すところなく発揮させ、多彩かつ幅広いダイナミック・レンジで描き切ったプロコフィエフの「キージェ中尉」と、セルとクリーヴランド管が成し遂げた20世紀オーケストラ芸術の究極の到達点をアナログ完成期の充実したサウンドで味わっていただけます。
■セルとしては珍しい20世紀音楽
セルは、クリーヴランド管音楽監督時代に「シンフォニエッタ」を、1946/47年、1954/55年、1961/62年、1965/66年と4シーズンにわたって取り上げていますが、「ハーリ・ヤーノシュ」と「キージェ中尉」を取り上げたのは1968/69年の1シーズンのみでした。コロンビアによる録音セッションは、3曲ともこれらの演奏会と並行して行なわれました。ヤナーチェクはまずヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」とのカップリングで発売されましたが、その後バルトークの「管弦楽のための協奏曲」と組み合わされ、この2曲がLP時代の定番となりました。一方「ハーリ・ヤーノシュ」と「キージェ中尉」は、「Two Musical Fables」=「音楽のおとぎ話」というアルバム・タイトルで発売され、漫画っぽいイラストのジャケットが目を惹き、コロンビア・レコードのカタログにあったオーマンディ/フィラデルフィア管による同じカップリングのステレオ盤(1961/62年録音)と並び称される存在となりました。セルの演奏レパートリーは広かったにもかかわらず、クリーヴランド管時代のプログラミングはどちらかというと18~19世紀の古典派・ロマン派をメインに取り上げたため、保守的と批判されることも多く、20世紀作品はセルの録音自体それほど多いわけではないので、この3曲の名演はセルのディスコグラフィの中でも大きな意味合いを持つものといえましょう。いずれもセルにとって唯一の録音です。(1/2)
ソニー・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2018/01/25)
■アナログ完成期の鮮明な「360サウンド」
いずれも「360サウンド」を標榜した、コロンビアのアナログ完成期のステレオ録音ならではの左右に大きく広がる鮮烈なサウンドがセルとクリーヴランドのダイナミック・レンジの広い演奏を見事に捉えきっています。「キージェ中尉」の冒頭で遠くから聞こえてくるトランペットのソロの空間性、「ハーリ・ヤーノシュ」第5曲で登場する民族楽器ツィンバロンのオーケストラとの見事なバランスなど、練達のコロンビアのエンジニアリング技術の賜物といえるでしょう。収録場所は1929年に完成し、1931年に開館したクリーヴランド管の本拠地であるセヴェランス・ホール。1844席を擁する名ホールで、ギリシャ新古典様式の外観とアールデコを思わせる優美な内観で、「アメリカで最も美しいコンサートホール」と称されてきました。1958年にセルのイニシアチブで全面的な改修が行なわれ、セルが施行する各パートの明晰さとヨーロッパ的ともいうべき暖かみのある適度な残響感を備え、録音にも適した会場となりました。セル&クリーヴランド管のコロンビア/EPICへのレコーディングは全てここで行なわれているため、演奏者のみならず、プロデューサーはポール・マイヤースとアンドルー・カズディンの2人が分担していますが、彼ら以下エンジニアも含むレコーディング・スタッフは会場の音響特性を知り尽くした状況下で進められた理想的なセッションでした。
■リマスターについて
この3曲が初めてCD化されたのは、ブルックナー同様、1984~85年に発売された日本のCBSソニーによる「セル&クリーヴランドの芸術」シリーズの一環としてでした(ヤナーチェクは32DC211、プロコフィエフとコダーイは32DC218)。セルの没後30年となる2000年には、再び日本独自に企画されたセルの再発シリーズのために初めてDSDリマスターが行なわれました。今回はその2000年以来、18年ぶりにオリジナルの3チャンネル・マスターからアンドレアス・K・マイヤーによってリミックスとDSDリマスターが行なわれることになります。
[シリーズ・コンセプト]
ソニー・クラシカルおよびRCA Red Sealの歴史的名盤を、これまでのリマスターも含め最高のクオリティを追求し、ハイブリッドディスクとして「究極」の形でフィジカル・リイッシューする「タワーレコード "Sony Classical"究極のSA-CDハイブリッド・コレクション」。ソニー・クラシカル秘蔵のオリジナル・マスターに遡り、アンドレアス・K・マイヤーをはじめとする経験豊富な名手が復刻を手掛ける究極のコレクションです。(2/2)
ソニー・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2018/01/25)