伝統と先鋭の音楽都市ニューオーリンズに新たな歴史を作る気鋭のバンド。
メジャーデビュー、グラミーノミネートと瞬く間に世界が注目するバンドへと昇華したニューオリンズの新鋭。私が2019年聴くほどに虜となった作品だ。かの"ノラ・ジョーンズ"も新曲でコラボ相手に選んだ「次代のローリン・ヒル」と評されるバンドの象徴、タリオナ・タンク・ボールの力強くもキュート、時にメルヘンチックなヴォーカル、ラップ、ポエトリーリーディングにただひたすら魅了される。加えて、そのタンク嬢を引き立て、聴くものの中に彼らの世界観を創造させる気鋭のメンバーの大胆かつ繊細なサウンドも圧巻の一言。レジェンドを数多く輩出した伝統的音楽都市の歴史の中でもひときわ異彩を放ち、世界を魅了する彼らの歩みはまだ始まったばかりだ。
(C)グランツリー武蔵小杉店:河田 良介
タワーレコード(2020/01/24)
2017年NPRのTiny Desk Contestで6,000人の参加者の中から満場一致の称賛を受け優勝した今全米が最も注目するニューオリンズ出身のソウル・バンドのメジャー・デビュー・アルバム。 (C)RS
JMD(2019/03/09)
名企画〈タイニー・デスク・コンサート〉で一気に注目度を上げたニューオーリンズ出身のバンドによるメジャー移籍第1弾。その動画でも炸裂していたのが、歌とポエトリーとラップを駆使して躍動するタンク嬢のチャーミングな魅力! 音楽性や唱法からはジル・スコットやノーネームを思い出すが、快活で気取らない振る舞いと言葉遊びの小気味良さによるキャラ立ちは随一だ。プロデュースはロバート・グラスパー、ジャック・スプラッシュ、ゼイトーヴェン、マーク・バトソンらが手掛けており、浮遊感あるネオ・ソウルからジャズ、セカンドライン・ファンク、ミュージカル調、ゴスペル、トラップ~ヒップホップに至る多種多様な楽曲と相まって、彼女が主役の一大喜劇を見たかのような満足感が残るアルバム。
bounce (C)池谷瑛子
タワーレコード(vol.427(2019年5月25日発行号)掲載)