豪出身のマルチ奏者兼シンガーによるニンジャ・チューンからの2作目。UK気鋭のラッパー、ロイル・カーナーやトム・ミッシュとのコラボでも聴かれた、ジャジーで仄かにアブストラクトなR&B路線は踏襲しつつ、今回はフェンダーローズ系の生音を軸とした、よりオーセンティックな仕上がりだ。アルバムの前半は変則ビートを多用した攻めの楽曲もあるが、自身のファルセットで綴る(8)(9)などのメロウ・チューンは、90年代のネオ・ソウルを昨今の妖艶なベッドタイム・ミュージックへ昇華した最良のお手本であるし、スティーリー・ダン等にインスパイアされたという、"複雑だけどポップ"なメロディも書けてしまう辺りにも非凡な才能がギラリと光る。 (C)岡本大輔
タワーレコード(2020/05/27)
トム・ミッシュ、ロイル・カーナー、アルファ・ミストらとの交流・共演がそのまま活況のロンドン・シーンを象徴する天才、ジョーダン・ラカイが2年ぶり3作目となるオリジナル・アルバム『Origin』をリリース!!
前作『Wallflower』で描いた私的で密接なポートレイトから一転、先行シングル「Say Something」でも聴けるように敬愛するスティーヴィー・ワンダーやスティーリー・ダンらの古典的なソングライティングをATCQやピート・ロック、9thワンダー譲りのグルーヴでスウィングさせ、よりソウルフルで開放的な方向へと歩を進めた今作。
「AIシステムに立ち向かう人間の未来」というシリアスなテーマを掲げながらも、シックのナイル・ロジャースやテラス・マーティンとのセッション、ボノボも絶賛するダン・カイ名義でのDJセットなどを経て、充実した自身のキャリアを象徴する決定盤。
発売・販売元 提供資料(2019/05/23)
ディスクロージャーやFKJ、近年ではトム・ミッシュ、ロイル・カーナーらとのコラボで勢いに乗るジョーダン・ラカイの3作目。マルチ・プレイヤーらしい緻密なトラックメイクも肩肘張らない柔らかな歌唱も一段とスケールアップ。活動の拠点を構えるロンドンの旬なシーンで醸成された音楽性は〈新世代ネオ・ソウル〉を体現するものだろう。なかでも先行曲"Mind's Eye"の心地良さときたら……。
bounce (C)藤堂てるいえ
タワーレコード(vol.428(2019年6月25日発行号)掲載)