全米アルバム・チャート1位を5度獲得し、世界的人気を誇るポップ・アイコン=マイリー・サイラスが、約3年ぶりとなるニュー・アルバム『プラスティック・ハーツ』を発売する。
自身のインスタグラムに手書きメッセージを公開し、2年以上前から制作作業に着手していた中、2018年に発生した山火事で自宅を失ったことで全てを失うも、自分自身を見つけ出したこと、そして7枚目のアルバムが完成したことをファンに報告した。
同アルバムには8月に配信され既に全世界楽曲再生回数が間もなく2億回に迫る勢いのヒット曲「ミッドナイト・スカイ」が収録される。アルバムのリード・シングル「ミッドナイト・スカイ」は、これまでにショーン・メンデスやカミラ・カベロなどに全米No.1ヒットをもたらしてきたグラミー賞受賞プロデューサーのアンドリュー・ワットが手掛けた、80'sのエレクトロ・ポップサウンドの楽曲。同曲のメッセージでもある、自分のストーリーを自分で伝えることの大切さを表現するために、マイリー自身がミュージック・ビデオの監督を務めたことでも話題となった。同ミュージック・ビデオ撮影にあたって、フリートウッド・マックのボーカル=スティーヴィー・ニックスやブロンディのボーカル=デビー・ハリーなど、強い女性アーティストからインスピレーションを受けたとコメントした。2019年5月に、6曲入り配信限定EP『シー・イズ・カミング』をリリースし、ニュー・アルバムを制作中であることを発言。年末に約10年越しの恋人であった俳優のリアム・ヘムズワースと結婚するも、翌年8月には離婚を発表。新曲「スライド・アウェイ」を配信し、9月には映画『チャーリーズ・エンジェル』の為に書き下ろされたアリアナ・グランデの楽曲「ドント・コール・ミー・エンジェル」にラナ・デル・レイと共に参加。その後アルバムのリリースはなく、2020年に新型コロナウイルスでアメリカ各地で外出自粛となってからは、インスタグラムのライヴ配信機能を使って様々なゲストとトークを繰り広げるライヴ配信シリーズ「ブライト・マインデッド:ライヴ・ウィズ・マイリー」を公開し始めた。
3月から全20本の動画を公開し、セレーナ・ゴメス、デュア・リパ、アリシア・キーズといった自身と同じアーティストに限らず、モデル、俳優、プロデューサー、番組司会者、政治家、医療従事者、シェフ、ネイル・アーティストといった多種多様な豪華ゲストが総勢57組出演し、自身の知名度を活用し新たな形でエンタメを提供してきた。現在も、マイリーのインスタグラムで各動画が視聴可能となっている。そして8月に「ミッドナイト・スカイ」をリリース後は、MTV VMAJでの同曲初パフォーマンスを皮切りに、テレビ番組やオンライン・フェスティバルで様々なロックバンドのカバー曲も多数披露し、80sにインスピレーションを受けたスタイルを見せている。
そんな彼女が満を持してリリースする新作に期待せずにはいられない。
発売・販売元 提供資料(2020/11/24)
新婚気分に浮かれていた前作『Younger Now』(2017年)から一転、離婚後初となる本作では行き場のない怒りをぶちまけるかのようにロック・アルバムに初挑戦。ジョーン・ジェット、ビリー・アイドル、スティーヴィー・ニックスらレジェンドを引っ張り出して、80sムード満載のポップ・ロックを展開する。とはいえ、ナイン・インチ・ネイルズ風、カントリー風、デュア・リパとのデュエットなど搭載されたヴェクトルは多彩。オジー・オズボーンからサム・スミスまでを手掛けるアンドリュー・ワット、マーク・ロンソンらと描いた懐かしいサウンドには聴き覚えのあるものが多く、元ネタ探しも楽しめるはず。ヒット曲"Midnight Sky"をはじめ、ちょっぴりセンチなミッドテンポ系が光っている。
bounce (C)村上ひさし
タワーレコード(vol.445(2020年12月25日発行号)掲載)