強靭で引き締まり、張り切った凛としたヴァイオリンの音色に圧倒された。バッハ『無伴奏ソナタとパルティータ』以来のヒラリー・ハーンのCDで、レーベルもDECCAから古巣のDGに復帰。『パリ』というタイトルから想像されるようなフランス音楽集とは一線を画し、この地で初演されたショーソン、プロコフィエフ、そしてハーンに捧げられたラウタヴァーラの作品を揃えた。世界初録音のラウタヴァーラ《2つのセレナード》が深淵な空気感で素晴らしい。これはプロコフィエフの協奏曲の第1楽章やショーソン「詩曲」の音楽にも通じ、ハーンの音楽の熟した深い呼吸の歌を堪能できる。円熟期に突入した今のハーンの姿を投影している。
intoxicate (C)雨海秀和
タワーレコード(2021/02/20)
ヒラリー・ハーンが長年パリで共演してきた家族のようなオーケストラ、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団。ミッコ・フランクが首席指揮者を務めるこのオーケストラのアーティスト・イン・レジデンスを2018-19年に務めたヒラリー・ハーンが熱望した録音。
1916年から17年にかけて作曲され、1923年パリで初演されたプロコフィエフの協奏曲第1番は、ヒラリー・ハーンのお気に入りの協奏曲。いままで最も多く演奏してきた作品のひとつで、録音の最適な共演者とタイミングを待ち続けていました。
パリ出身のショーソンによる神秘的で瞑想的な「詩曲」の初演は、パリでイザイによって行われました。この曲はイザイに献呈されたショーソンの代表作。ヒラリー・ハーンの師ヤッシャ・ブロツキーはイザイの最後の弟子で、彼女はこの作品に自身の音楽的なルーツとして、個人的な繋がりを感じずにはいられません。
2016年に亡くなったフィンランドの作曲家ラウタヴァーラとは、2013年のアルバム『27の小品~ヒラリー・ハーン・アンコール』で「ささやき」という楽曲を委嘱・演奏したのが最初のコラボレーションでした。また、ミッコ・フランクはラウタヴァーラの親しい友人であり、その作品の理解者として優れた演奏家でした。2014年にラウタヴァーラのヴァイオリン協奏曲を演奏した二人は、パリで初演するための新作協奏曲を委嘱することにしましたが、ラウタヴァーラの健康状態が良くなく、その作品はセレナードに変更されました。作曲家の死後、2曲目の途中までオーケストレーションがなされ、残りはピアノのスケッチがのこされた「2つのセレナード」が発見され、ラウタヴァーラの弟子である著名な作曲家カレヴィ・アホがオーケストレーションを完成させて、2019年2月に世界初演し、この世界初録音が行われました。
ユニバーサル・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2021/02/03)
ヒラリー・ハーンが長年パリで共演してきた家族のようなオーケストラ、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団。ミッコ・フランクが首席指揮者を務めるこのオーケストラのアーティスト・イン・レジデンスを2018-19年に務めたヒラリー・ハーンが熱望した録音。 (C)RS
JMD(2021/01/23)