多くの音楽関係者が年間ベストアルバムに選んだ前作『Pitfalls』から2年、ノルウェーの異端LEPROUS(レプラス)が異例の制作手段で仕上げた決定的作品『Aphelion』
現代のプログレッシヴ・メタル界において最も個性的で強い輝きを放つバンドLEPROUS(レプラス)。ノルウェーの異端的な存在が前作に続いて他を圧倒する作品を発表する。2009年に万華鏡のようなデビュー作『Tall Poppy Syndrome』で創作活動を開始したLEPROUSは、地球上のどのバンドとも異なるサウンドを作り出すという野望を抱き続けてきた。Einar Solbergの並外れた作曲能力が開花した4作目『The Congregation』(2015年)や5作目『Malina』(2015年)ではメディアからも評価され、メタルヘッズから古参のプログレ愛好家に至るまで、幅広いファンに熱狂的に支持されるバンドへと成長する(彼らは誰もが目を見張るライヴバンドでもある)。そして、決定打となったのが心の闇(うつ病や不安症)との闘いをEinargが赤裸々に述懐した『Pitfalls』(2019年)である。その前作は、世界中のセールスチャートにエントリーを果たす快挙を達成、バンドは新たなる領域へと飛躍を遂げた。当初、今作『Aphelion』は作られる計画がなかったものの、新型コロナウイルス感染が突如拡大した影響で偶発的に生まれた作品だ。バンドは制限があるなかで様々な作曲方法と作業方法を模索しながら、スウェーデンとノルウェーにある3つの異なるスタジオでレコーディングを行った。「今作は生き生きとしていて、自由も感じる。そして計算しすぎてもいない。完璧で綿密な作品を作る余裕がなかったことが逆に今作の強みになったんだ」とEinargは語る。
さらに1月31日から6日間に渡ってスタジオをオンライン上で開放し、ファンに対してどのような曲を作るべきか意見を求める「Let's Write a Song Together」という投票企画を行ったという点も興味深い。『Aphelion』は、心の闇との闘いという内側を向いた前作とは対照的に外に向かっている作品となった。作品のオープニングを飾るのは、今作のリリースに先駆けて公開された複雑な構成と壮大な世界を持つ「Running Low」。今作のアンセムになる可能性を秘めた妖しくも耽美な「Silhouette」、前作収録の「Observe The Train」を彷彿させる幻想的かつスリリングな「All The Moments」、昨年末に公開された楽曲でEinarの神々しいまでの歌唱を収めたバラード「Castaway Angels」、そして劇的な展開で作品の幕を下ろす7分の大作「Nighttime Disguise」まで息をつかせぬ56分だ。前作『Pitfalls』と同じく、ミックスはAdam Noble (PLACEBO、BIFFY CLYRO、NOTHING BUT THIEVES)が担当。マスタリングを手がけたのはRobin Schmidt (THE1975、PLACEBO、THE GASLIGHT ANTHEM)だ。
至高の音楽体験がここにある。『Aphelion』は、現代のプログレッシヴ・メタルを再び革新させる作品となるだろう。
発売・販売元 提供資料(2021/07/16)