豊かな音楽性や個性との交流から生まれる"音楽の輝き"を封じ込めた71年の名作が、50年の時を超え今再びまばゆい光を放ち始める…。バーズやCSN、そしてソロ・アーティストとして60年以上にわたり自身の音楽世界を追い求めるフォーク・ロック界の伝説的存在、デイヴィッド・クロスビーが1971年に発表した記念すべきソロ・デビュー・アルバムが、生誕50周年を記念した最新リマスター音源となって現代に再び鳴り響く!
こちらは貴重な未発表デモ音源やセッション音源などを収録したボーナス・ディスク付2枚組CDエディション!
「ここにある音楽は、まるで朝目覚めてからそれまで見ていた夢を語ろうとするときに聞こえてくるように響いてくる。霞がかかっていて、ゆるやかにまとまっていて、それでいてリアル・タイムに溶けていくような…、そんな音楽だ」 ─ Pitchfork
バーズからCSN、CSN&Y、そしてソロ・アーティストとして、60年以上に亘って自身の音楽世界を追い求め続ける、フォーク・ロック界の伝説的存在、デヴィッド・クロスビー。2度のロックの殿堂入りを果たし、ソングライターの殿堂入りも果たす真のレジェンドは、半世紀以上のキャリアを経て3世代を超える人々に文化的試金石を提供し続け、今も尚社会を見詰め、音楽を探求し、メッセージを発信し続けている。そのクリエイティヴィティ/創造性はとどまることなく世界に最高のサウンドを響かせ続けてくれている。
彼が初のソロ・アルバム『IF I COULD ONLY REMEMBER MY NAME』を発表したのは、1971年のこと。発売当時は批評家から否定的な評価を受けていたアルバムだが、このアルバムが持つ冒険的な美学、積み重ねられたハーモニー、喪失感や混乱を綴った心に響く歌詞といった素晴らしい要素に、年がたつにつれて評価を高めていったアルバムだ。デヴィッド・クロスビーのソロ・アルバムとしてリリースされた今作だが、このアルバムは彼一人のプロジェクトではなく、グレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインのメンバーや、サンタナ、グラハム・ナッシュ、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングを始め、豪華絢爛なオール・スター・キャストが参加した、彼のその豊かなキャリアの中でも最もコラボラティヴな作品だと言えるだろう。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2021/09/10)
今年で50周年を迎えるこの記念すべきソロ・デビュー・アルバムを讃え、ここに『IF I COULD ONLY REMEMBER MY NAME (50TH ANNIVERSARY EDITION)』が発売されることとなった! この50周年記念エディションは、オリジナルのアナログ・マスター・テープから丁寧にリマスターされたアルバム音源や、未発表デモ、アウトテイク、別ヴァージョンなど多数のレア音源をコンパイルした2CD仕様、そしてアルバムのリマスター音源を収録した180グラム重量盤アナログという2形態でのリリースとなる。今回のリマスターは、オリジナル・アルバムのエンジニアであったスティーヴン・バーンカードが手掛けており、Plangent Processを使った修復作業とスピード補正が行われている。
デヴィッド・クロスビーが今作のレコーディングを開始させたの1970年当時、彼は長年の恋人を交通事故で亡くし、悲しみに暮れていた。そんな彼の避難所となっていたのがサンフランシスコにあるWally Heider Studiosだったのだが、そこに毎晩のようにジェリー・ガルシアが訪れていたのだという。デヴィッドは当時のことをこう振り返っている。 「そこにはあの笑顔と優しい瞳、そして魅力的な音楽が溢れていた。ごく自然に、無理やりではなく、優雅に、そして楽しく、常にそこに存在していたんだ。それは優しさそのものだったんだ。ジェリーは何も言わなかったし、何かをほのめかしもしなかった。ただ、"なぁ、君が何かやってるって聞いたんだけどさ、何をやってるんだい? 何か一緒にやろうぜ"っていう感じだったんだ」
そして彼らが共に創り上げた音楽は、後の世代のシンガー・ソングライター達から「フリーク・フォーク」というジャンルの初期の例として称されることとなる、この『IF I COULD ONLY REMEMBER MY NAME』だ。デヴィッドの威勢の良さとジェリーの鋭いソロが強烈な印象を与える「Cowboy Movie」やコーラス・フォークとモーダル・ジャズの間を緩やかに行き交う「Song With No Words (Trees With No Leaves)」、フランスの童謡を、スタジオにある反響音を使いながら、彼自身の声を何層にも重ねたヴォーカル・ハーモニーを持つ楽曲へと進化させた「Orleans」など、このアルバムに収められている全9曲すべてが、様々な雰囲気や質感を持つ素晴らしい楽曲として時代を超えて輝き続けているのだ。
ボーナス・ディスクには、『IF I COULD ONLY REMEMBER MY NAME』の制作過程における約1時間に亘る未発表音源が収録されている。この中には、1968年3月28日、ロサンゼルスにあるHollywood Recordersでレコーディングされていた、今作収録の楽曲へと続くその種とも言うべき貴重な音源が収録されているほか、プロデューサーであるポール・ロスチャイルドと共に制作した「Tamalpais High (At About 3)」といった楽曲の初期ヴァージョンや、「Coast Road」や「Dancer」の未発表セッション音源、ジェリー・ガルシアの代わりにニール・ヤングがソロを担当した「Cowboy Movie」のオルタネイト・ヴァージョンといった貴重な音源の数々がたっぷりと収録されているのだ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2021/09/10)
David Crosbys debut solo album, If I Could Only Remember My Name is a one-shot wonder of dreamy but ominous California ambience. The songs range from brief snapshots of inspiration (the angelic chorale-vocal showcase on Orleans and the a cappella closer, Id Swear There Was Somebody Here) to the full-blown, rambling western epic Cowboy Movie, and there are absolutely no false notes struck or missteps taken. No one before or since has gotten as much mileage out of a wordless vocal as Crosby does on Tamalpais High (At About 3) and Song With No Words (Tree With No Leaves), and because the music is so relaxed, each song turns into its own panoramic vista. Those who dont go for trippy Aquarian sentiment, however, may be slightly put off by the obscure, cosmic storytelling of the gorgeous Laughing or the ambiguous (but pointed) social questioning of What Are Their Names, but in actuality it is an incredibly focused album. Even when a song as pretty as Traction in the Rain shimmers with its picked guitars and autoharp, the album is coated in a distinct, persistent menace that is impossible to shake. It is a shame that Crosby would continue to descend throughout the remainder of the decade and the beginning of the next into aimless drug addiction, and that he would not issue another solo album until 18 years later. As it is, If I Could Only Remember My Name is a shambolic masterpiece, meandering but transcendentally so, full of frayed threads. Not only is it among the finest splinter albums out of the CSNY diaspora, it is one of the defining moments of hungover spirituality from the era. ~ Stanton Swihart
Rovi