グラミー15冠、全世界トータル・セールス6,500万枚を誇り、これまでリリースしたアルバム7作(『アンプラグド』含む)中5枚が全米1位を獲得している、米ニューヨーク出身のシンガー・ソングライター。2020年9月にリリースした『アリシア』に続き2作連続でのセルフ・タイトルとなる今作では、1つの楽曲に対し<オリジナルズ ver.>と<アンロックド ver.>の2種類の音源が対をなして収録。今作はアリシアにとってもアーティストとしてだけではなく1人の女性としてのルーツや根源と向かい合いながら制作した"実験的"な作品であると同時に"原点回帰"作であることが伺える。 (C)RS
JMD(2022/02/19)
自分の信じるサウンドだけを追求した"原点回帰"作
グラミー15冠、全世界トータル・セールス6,500万枚を誇り、これまでリリースしたアルバム7作(『アンプラグド』含む)中5枚が全米1位を獲得している、米ニューヨーク出身のシンガー・ソングライター。2020年9月にリリースした『アリシア』に続き2作連続でのセルフ・タイトルとなる今作では、1つの楽曲に対し<オリジナルズver.>と<アンロックドver.>の2種類の音源が対をなして収録。
今作についてアリシアは「<オリジナルズver.>は"帰郷"だと考えてます。自分がどこから来たのかを覚えていなければ、どこへ行くのかを真に理解することはできない。一方で<アンロックドver.>では自分のルーツを理解した上で"磁気治療をうけたような、より充実した体験"をコンセプトに制作を進めたの。」と語っており、今作はアリシアにとってもアーティストとしてだけではなく1人の女性としてのルーツや根源と向かい合いながら制作した"実験的"な作品であると同時に"原点回帰"作であることが伺える。
国内盤にはボーナストラックとして、海外CD未収録曲「ペーパー・フラワーズ」を追加収録。
発売・販売元 提供資料(2022/02/09)
姓を冠した表題は前作『Alicia』(2020年)の続きなのか、初の2枚組で新作がリリース。盤はそれぞれ〈Originals〉〈Unlocked〉と名付けられ、そのうち10曲は同曲異アレンジで聴かせるという趣向だ。本人主導の〈Originals〉はラファエル・サディークらも迎えて本来の作法で聴かせ、〈Unlocked〉はマイク・ウィル・メイド・イットと共同制作したヒップホップ寄りの仕上がりとなる。まあ、ビーニー・シーゲル"The Truth"をループした"Plentiful"、シャーデー使いの"Best Of Me"、ドラマティックな"Old Memories"など前者は圧巻の名曲揃い。〈Unlocked〉が丸ごと要るのかは聴く人次第だろうが、それでもやりたいようにやってみたのだろう。ノスタルジーで消費されることだけを良しとしない姿勢がやはり頼もしい。
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.459(2022年2月25日発行号)掲載)