遂に出た!!
1968年プラハの春音楽祭ライヴ
カルロス・クライバー指揮エッシェンバッハをソリストに迎えたシューマンのピアノ協奏曲
さらに1980年のサヴァリッシュによるドヴォルザークの「幽霊の花嫁」も収録!
チェコ放送の自主レーベル「ラジオサーヴィス」のシリーズ『プラハの春音楽祭ゴールド・エディション』の第3弾。
遂に!カルロス・クライバー指揮クリストフ・エッシェンバッハをソリストに迎えたシューマンのピアノ協奏曲の録音が登場しました!
カルロス・クライバーは、カリスマ的な名声を誇った指揮者でありながら、そのディスコグラフィは非常に限られたものしか残っていません。この録音も、チェコ放送に残されてはいましたが、正式なリリースはされていない貴重な音源。1968年5月25日の演奏会は、ここに収録されている「シューマン:ピアノ協奏曲」の他に、「ドヴォルザーク:演奏会用序曲《謝肉祭》」「ベートーヴェン:交響曲第7番」が演奏されていますが、大変残念ながら他の2曲は現在アーカイヴには残っていません。
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キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2022/05/25)
取り上げるレパートリーを極端に絞り込み、少ない演奏会、多くはない録音。それらはクライバーが理想とする音楽を実現するために、常にこだわってきた証ともいえるでしょう。その背景には父エーリヒとの間柄も大きく影響したとも言われています。そうした中、ウィーンに次ぐ、父エーリヒの第2の故郷ともいえるプラハでの演奏というのは、クライバー自身特別な心境があったと想像できます。
そして、1968年はチェコ・スロヴァキア(当時)において重要な年でもありました。同年4月に始まった「人間の顔をした社会主義」を掲げるドプチェクの指導の下で展開された民主化運動「プラハの春」。その8月にソ連、ワルシャワ条約機構軍が軍事侵攻したことで鎮圧された「チェコ事件」。と激動の年に行われた本演奏会は聴衆の熱狂と共に成功をおさめました。エッシェンバッハは28歳でピアニストとして絶頂期を迎えようとし、クライバーもバイエルン国立歌劇場の指揮者となり世界的指揮者へと名声を確立するなど、当時二人はすでに一流の音楽家。そんな両者に引っ張られ、オケは超一流の音楽家を前に見事な演奏を聴かせ、エッシェンバッハもクライバーの猛烈な指揮に引っ張られ、圧巻のピアノ演奏を披露しています。
また、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮チェコ・フィルによるドヴォルザークの劇的カンタータ「幽霊の花嫁」も収録。ミュンヘンに生まれたドイツの名指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュ(1923-2013)。1957年に当時最年少の33歳という若さでバイロイト音楽祭にデビューを果たし、バイエルン国立歌劇場音楽監督(1971-92)の20年に及ぶ活動もサヴァリッシュの重要な功績と言えます。ちょうど1970~1980年代は、サヴァリッシュがチェコ・フィルに頻繁に登場してひときわ高い人気を博していた時期でもあります。ドヴォルザークの「幽霊の花嫁」はあまり多く演奏される演目ではありませんが、サヴァリッシュとチェコ・フィルは、1977年、1980年と続けて同演目を演奏しており、両者の良好な関係がよく伝わる充実の内容となっています。1884年に作曲されたこのカンタータは、チェコの詩人ヤロミール・エルベンの台本を用い、随所にチェコの民謡風の美しい旋律が使われた魅力的な作品。ドヴォルザークの充実した作曲技巧が伺われる中期の傑作です。
当シリーズは、チェコの名エンジニア、ミロスラフ・マレシュのチームによって、オリジナルマスターテープから入念にリマスタリングされ、当時の音源を緻密に再現しています。
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発売・販売元 提供資料(2022/05/25)
今の俊英が大人しく思えるほどのハイテンションの打ち込み。どれほどマグマが疼いていたのか。
昔、國土潤一だったか「エッシェンバッハは内省をみせる一方でピアノの表現領域の限界を試すような、殆ど暴力的といえる演奏を行う時があった」と書いていたが、初めてああそうかもと感じた。
クライバーの指揮は知らずに聴いたら「ひと癖ある若手かなぁ」くらい。
組合せのサヴァリッシュ指揮のドヴォルザーク:幽霊の花嫁はコントロールをきかせつつ、ドラマティックなハーモニーが響き渡る。