あふれるスラヴの抒情。他の追随を許さない稀代の名演。ノイマン&チェコ・フィルにとって再録音となった1985年録音の決定盤!
ORTマスタリングを用いたハイレゾ化による初SACD化。最新マスタリングを施した名録音・名演奏が最新で蘇る!
これまでDENON原盤の音源をリリースしてきたORTマスタリング企画の最新盤に、いよいよ「スプラフォン」音源が登場します。
この録音はノイマン&チェコ・フィルにとっては2度目の収録となった音源で、スラヴの語法を肌で感じながら演奏する彼らの演奏には抜群の説得力があふれています。
ノイマンの下で黄金時代を迎えていたチェコ・フィルの音色美と機能美を100%生かしきった充実の名演です。
日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング技術によりハイレゾ化を行い初SACD化。音場・音質が鮮やかに向上しています。CD層も今回のマスタリング音源を使用しています。
ノイマンとチェコ・フィルは1971-72年にかけてテルデック・レーベルに「スラヴ舞曲」全曲を録音し、SUPRAPHONでは1985年に初めて伝統ある同曲を収録しました。
この後、亡くなる約2年前にキャニオンクラシックスに最後の録音(SACD企画で2020年12月にOctavia RecordsよりOVEP00012で発売。限定盤)を残しており、
計3種が存在しています。いずれも同じチェコ・フィルながらも、録音時期とレーベルが異なっていることによりそれぞれ特徴を持っており、なかでもこのスプラフォン盤はもっともオーソドックスな演奏と言えるでしょう。
スプラフォン・レーベルでの多くの音源の中でも、ターリヒ、シェイナに続く伝統的な演奏として、まさに決定盤として君臨しています。
最初の録音であるテルデック盤はレーベルの録音手法にもよるとは言え、1曲1曲に力の入った、非常に厳格な演奏となっていました。小品とは言えテンションは凄まじく、両者の気合いを十分感じさせます。
それに対しこの盤では曲本来の「舞曲」という要素に合致した、ある意味「軽やかさ」があるように思えます。
両レーベルの録音概念も影響してかスプラフォンの方は低域が軽く、演奏としてもより開放感があるのは両者のリラックスした感覚も影響しているのではないでしょうか。
曲毎の結びつきも顕著に感じられることから、独立した曲としての要素が強いテルデック盤に対し、全曲を通しての一作品と感じられるのが当盤の特徴でしょう。
一方、最後のキャニオン盤では流れがさらにスムーズになっていますが、バランス的にはスプラフォン盤の評価が高いのが頷けます。
(1/2)
タワーレコード(2023/02/21)
スプラフォンは1980年代前半からデジタル録音を開始しており、当初アナログ録音との音質差を感じられたものの、比較的早く従来のレーベルのトーンを確立していました。
元々ORTマスタリングの企画は、2020年に「ノイマン/マーラー:交響曲全集(TWSA-1070-9)」のデジタル録音3曲のSACD化を行うにあたり試験的に導入したのがきっかけでしたので、スプラフォンのデジタル音源も当企画で本格導入した次第です。
今回のORTマスタリングではデジタル録音でも従来からあった基本的なニュアンスは継承された上で、さらに柔和な響きと基音との微妙なバランスや倍音成分の増加が認められます。
全帯域で解像度が上がったことで分離がより明瞭になり、さらに近接したポジションで音楽を鑑賞できます。ORTによる効果は顕著で、ダイナミックレンジが広く感じられ、音数の多さも含めSACD化の恩恵をより得られる録音と言えるでしょう。
今回は、より鮮やかに、奥行きもあるクリアな音質を堪能できます。これらの最新復刻で、蘇った名盤の評価が一層高まることを期待します。尚、今回のORT第7回発売は、2タイトルを発売いたします。
<ORTマスタリングとは>
CDスペックにて録音されたDENONレーベルの数々の名盤、そのデジタル変換時に失われてしまった楽音の高域成分を、低域部分の倍音を利用して予測、再構築する技術「Overtone Reconstruction Technology(ORT)」を開発しました。
この倍音再構築技術と、従来から導入されている"Master Sonic 64bit Processing"による高品質なマスタリング技術が組み合わさったものが、"ORT Mastering"です。
ORTによって得られた広い周波数帯域とダイナミックレンジを最大限に活かし、原音に忠実に、名演奏、名録音の魅力をお届けします。
(2/2)
タワーレコード(2023/02/21)