MUROさんの本領発揮!和レア・グルーヴ極上MIX!
DIGGIN' VICTORと銘打った邦楽MIXシリーズ第3弾。和といっても、近年トレンドのシティポップ寄りではなく、緊張感とスリルを宿したレアグルーヴの本質を感じさせるMIXが今また嬉しい!特筆すべきは、若き日の坂本龍一が現代詩人にして作家の富岡多恵子と作成した(2)の収録!シンセサイザーと朗々とした歌が交錯する究極の1曲を前半に配して、グッと気持ちを上げてくれます。和モノ特有の尖り部分をストーリー性のあるMIXでまとめたMUROさんの名仕事!
タワーレコード(2023/06/02)
日本が世界に誇るDJ、King Of Diggin'ことMURO。"DIGGIN' VICTOR"と銘打ったMIXシリーズ第3弾。
<Production Note>
ビクターで深い眠りについていたFusionの名作の数々を揺り起こし、アーカイブの価値観を一新してくれた「DIGGIN' VICTOR Deep Into The Vaults Of Japanese Fusion」(2018年3月発売)、そしてMUROの絶対的なブランドとなって久しい「エレガント・ファンク」を邦楽でまとめあげ、世のブギー/ディスコ・ブームに一石を投じる画期的な邦楽のキュレーテッド・ディスクとなった「Elegant Funk Japanese Edition」(2019年1月発売)、そして"ディギン・ビクター"と銘打ったMUROの本シリーズも遂に第3弾のリリースを迎えるに至った。
初めて日本語のアルバム・タイトルとなった「室神家の盤」は、「King Of Diggin'」ことMUROがセレクトするレコードの中でも取り分け権利処理で迷路に入り込む、つまり珍しいレコードの押し合いへし合い状態で、リリースのコンディションを整えるのに時間は要したが、それゆえに収録作品の希少度は頗る高くなった。「犬神家の一族」をモチーフにしたジャケットのイラスト(by Tokio Aoyama)よろしく、金子由香利の「仮面(犬神家の一族)」から始まるミックスは全体を通して邦楽最上級の文字通りレア・グルーヴの嵐、どこか事件性の匂うU.S.のブラックスプロイテーション的なそれが宿していた怪しげなムードが見事なまでに表出し、一曲一曲の粒立ちも素晴らしく、これ迄の2作とは異なる世界を堪能してもらえると思う。国内はもとより世界からどんな反応があるのか今回も実に楽しみだが、旧譜の価値を新たに見出し、その価値を真に更新するにはやはりMUROのような絶対的な感性があってこそと改めて感じる。(JAM)
発売・販売元 提供資料(2023/03/03)
タワレコ限定でリリースされたMUROの〈和モノ〉ミックスCD。ただ、その内容が凄いのは、「犬神家の一族」モチーフなTokio Aoyama作のジャケからも、冒頭を飾るのが金子由香利"仮面(犬神家の一族)"であることからも明らか。詩人・富岡多恵子の"物語のようにふるさとは遠い"(演奏は坂本龍一!)、以降も"じょんがらレゲエ"など本来の意味でのレア・グルーヴ奇祭に驚愕必至!
bounce (C)狛犬
タワーレコード(vol.473(2023年4月25日発行号)掲載)