名手ムストネンが
ラウタヴァーラとマルティヌーのピアノ協奏曲第3番を録音!
SACDハイブリッド盤。フィンランドのラウタヴァーラとチェコ生まれのマルティヌー。一見共通するところのなさそうなふたりは、インスピレーションの新たな源をみつけようと絶えず探求し、音楽の「ピューリタニズム」から解放される姿勢を保ちつづけたことで繋がっています。フィンランドのピアニスト、オッリ・ムストネンが、新たに首席指揮者に就任したダリア・スタセフスカの指揮するラハティ交響楽団と共演したアルバムでは、このふたりの作曲家の「ピアノ協奏曲第3番」が演奏されます。
ラウタヴァーラの《ピアノ協奏曲第3番》は、1994年の交響曲《光の天使》で彼が国際的に成功を収めた後、1998年の作品です。ネオロマンティックなスタイルをさらに押し進めた1969年の《第1番》とも、雑多な要素を合成した1989年の《第2番》とも異なる、ソリストがピアノを弾きながらオーケストラを指揮することのできる、ピアノ・オブリガート付き交響詩とでもいったスタイルで書かれています。「トランクィッロ」「アダージョ・アッサイ」「エネルジーコ」の3楽章の作品。男声合唱のために書かれた1978年の《4つのセレナード》の一曲、ボードレールの詩による〈貧しき者らの死〉に初めて現れた「le dons des reves(夢の贈り物)」の言葉による音型がモチーフとして使われていることから《夢の贈り物》の副題がつけられました。
折衷的で多作のマルティヌーの《ピアノ協奏曲第3番》は、ロマンティシズム時代の協奏曲に共通する特徴を備えた作品です。ブラームスを思わせる交響的構造をモデルにした、ストラヴィンスキーの新古典主義の「余韻」の聞こえる第1楽章「アレグロ」。色彩的な第2楽章「アンダンテ・ポコ・モデラート」。「モデラート-アレグロ」の第3楽章には、チェコスロヴァキアに政変が起き共産党政権が成立した1948年という時代が反映され、カデンツァの後、好戦的ともいえる姿勢で曲が閉じられます。1949年11月20日、作品を献呈されたルドルフ・フィルクシュニーのソロ、ウォルター・ヘンドル指揮ダラス交響楽団によりテキサス州ダラスで初演されました。
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キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2023/04/10)
ピアニストのムストネン(1967-)は、作曲家と指揮者としての活動でも知られ、内省と深い洞察による演奏は「再創造」とも呼べる新鮮な響きをもたらします。スティーヴン・イッサーリスと共演した3つの「チェロ・ソナタ」(BISSA-2042)に次ぐマルティヌー作品の録音です。
指揮者のダリア・スタセフスカ(1984-)は、ウクライナのキーウ生まれ。エストニアのタリンを経て、5歳の時、フィンランドに移住しました。ヘルシンキに一年住んだ後、タンペレに移り、タンペレ音楽院でヴァイオリンと作曲を正式に学び始めました。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヴァイオリンとヴィオラを学び、指揮に興味をもった20代、ストックホルム王立音楽大学でヨルマ・パヌラ、シベリウス・アカデミーでレイフ・セーゲルスタムたちに師事。2012年にシベリウス・アカデミーのディプロマを取得しました。BBC交響楽団の首席客演指揮者に就任した2019年7月、「BBCプロムス」で初めてロンドンの聴衆を前に指揮、翌年の「プロムス最終夜」の指揮者を務めました。2021/22年のシーズンにラハティ交響楽団の首席指揮者に就任しました。
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