84年のツアー終了後ロバート・フリップの解散宣言で呆気なく終焉を迎えてから10年強。プログレッシヴ・ロック、キング・クリムゾン再評価の波に乗り復活を果たしたクリムゾン。常にシーンをアッと言わせてきたフリップが満を持しての復活プランとして用意したのは全パート二人づつ、大編成のダブル・トリオ編成。満を持しての復活だけあり収録楽曲は粒ぞろい。名曲「レッド」、「太陽と戦慄 パート2」の流れをくむ「ヴルーム」に始まり「ヴルーム・ヴルーム」で終わるクリムゾンらしい楽曲配置の中に置かれたクリムゾン・クラシック「ダイナソー」、「ワン・タイム」といったヴォーカル・トラック、ヘヴィ・インプロビゼーション界が展開される「B'ブーム」、「スラック」など今も刺激的な楽曲目白押しの名盤。 (C)RS
JMD(2023/05/12)
ツイン・ギター、ツイン・ベース、ツイン・ドラム、ダブル・トリオ編成クリムゾンの唯一作、紙ジャケットは割高という声に応えSHM-CDフォーマットはそのままにプラケ仕様でプライスダウンを実現!
84年のツアー終了後ロバート・フリップの解散宣言で呆気なく終焉を迎えてから10年強。プログレッシヴ・ロック、キング・クリムゾン再評価の波に乗り復活を果たしたクリムゾン。常にシーンをアッと言わせてきたフリップが満を持しての復活プランとして用意したのは全パート二人づつ、大編成のダブル・トリオ編成。
満を持しての復活だけあり収録楽曲は粒ぞろい。名曲「レッド」、「太陽と戦慄 パート2」の流れをくむ「ヴルーム」に始まり「ヴルーム・ヴルーム」で終わるクリムゾンらしい楽曲配置の中に置かれたクリムゾン・クラシック「ダイナソー」、「ワン・タイム」といったヴォーカル・トラック、ヘヴィ・インプロビゼーション界が展開される「B'ブーム」、「スラック」など今も刺激的な楽曲目白押しの名盤。
紙ジャケットは太陽と戦クリムゾンまで、後半はプラケでもOK、でもSHM-CDフォーマットは捨て難いというファンの声に応え、マスターには紙ジャケット版と同じ2016年発表の現行最新ステレオ・ミックスを使用しプラケ仕様にすることでプライスダウンを実現。ベーシック・カタログ・シリーズとして再登場!
■SHM-CD
■新規解説付
■オリジナル1995年
発売・販売元 提供資料(2023/05/10)
1995年作品。スタジオライヴ・ミニ・アルバム「VROOOM」(1994年)に続いて遂に姿を現したフル・アルバム「THRAK(スラック)」。エイドリアン・ブリューがリードを務める、1980年代クリムゾンに近い編成での復活で、前評判では期待と不安が交錯していたが、結果として、非常に満足行くアルバムに仕上がった。
最大のポイントは、初期の叙情性がある程度復活していること。特に歌モノでメロウな旋律がふんだんに使われている。エイドリアン・ブリューは歴代シンガーの中で一番キーが高く、普通に歌えばクリアな高音の美声シンガー。それがキャッチーで素直なメロディーを歌うため、ポップですらある。
ドラマーとベースが2人居る「ダブル・トリオ」という荒々しい編成はこの際、あまり意識しなくていい。インスト曲のバトルではうなりを上げるリズム隊だが、ヴォーカル曲では意外と大人しくまとめられており、リズムばかりが尖っていた1980年代の姿はない。
ジャズの影響を感じさせる不協和音を効果的に使ったインスト曲は、前評判通りのメタル・クリムゾン振りだし、一転してヴォーカル曲は、描写力の高いメロディーで、どれも良い曲に仕上がっている。のっし、のっしと歩く恐竜を見事にサウンドにした「ダイナソー」、この世の中を動かす歯車=人間を醒めた目で眺める「People」、「宮殿」のダークさをちょっと思わせる小曲「Inner Garden I & II」、浮遊するメロディーがフロイドっぽい「Walking On Air」、そして相反する物を対比した、不思議な歌詞の切ないバラード「One Time」…。
インストだけじゃダメという人でも、これだけポップ・ソングとして良い曲が揃っていれば納得するであろう。既存の壁を常に打ち破ってきたクリムゾンにしては優等生すぎる… 批判したがるファンはそう言うかも知れないが、素直に、良い曲が多い作品だと思う。「宮殿」、「レッド」に続く3つ目の名作が誕生した!と言わせてもらおう。