繊細なメロディと音数の少ないアンサンブルで彩られた、真夜中のサイレント・ポップ。ブラジル・ミナスの英詩ロックバンド=ムーンズの3RDアルバム『DREAMING FULLY AWAKE』('19)が、待望のレコード・リイシュー。 (C)RS
JMD(2023/07/19)
繊細なメロディと音数の少ないアンサンブルで彩られた、真夜中のサイレント・ポップ。ブラジル・ミナスの英詩ロックバンド=ムーンズの3RDアルバム『DREAMING FULLY AWAKE』('19)が、待望のレコード・リイシュー。
2016年にアンドレ・トラヴァッソスが中心となり、ブラジルのミナス・ジェライス州で結成された英詩ロック・バンドのムーンズ。これまでに4枚のアルバムを発表。ミナスの伝説的音楽ムーヴメント「街角クラブ」はもちろん、ニック・ドレイクなどのUKフォーク、さらにはジョン・レノンやルー・リード、ヨ・ラ・テンゴなどロックの系譜に共鳴する音楽で、ブラジル音楽ファンにとどまらない幅広いリスナーを獲得してきた。そんなムーンズ諸作のなかでも最も人気の高い作品が、3RDアルバムにあたる本作『DREAMING FULLY AWAKE』('19)だ。
レコーディングからミックス、マスタリングまでをレオナルド・マルケスが担当。淡いサイケデリアに包まれた穏やかな歌声が繊細なメロディを描き、洗練されたバンド・アンサンブルがだんだんと熱を帯びていく。ほぼ一発録りとは思えない驚異の完成度だが、長年活動してきた彼らの、奇跡的ともいえるバンドの演奏が本作には真空パックされているのだ。
残念ながらバンドは2023年に活動休止を発表するも依然として人気は高く、ブラジルのみでリリースされた本作のレコードも高値で取引されるような状況だった。そういった再発を望むファンの声に応えるのはもちろん、今回のリイシューが、より多くの人がムーンズの音楽と出会うきっかけになれば幸いだ。
発売・販売元 提供資料(2023/07/18)