Rolling Stone誌曰く「インディ・ロック界で最も魅力的で謎めいたミュージシャン」、Mitskiは、2023年9月15日、Dead Oceansから7枚目のアルバムをリリースする。Mitskiのアルバムの中でも、最もサウンド的に広がりをもち、壮大で、賢明なこの作品で、曲は傷をもたらし、そして積極的にそれを癒しているようだ。ここでは、愛は遠い星からの光のように、私たちの優しい日々を祝福するためにタイムトラヴェルしている。 (C)RS
JMD(2023/08/16)
ミツキ、7枚目のアルバムが完成。自らの死後も愛を輝かし続けることを願う『ザ・ランド・イズ・インホスピタブル・アンド・ソー・アー・ウィ』、リリース。
Rolling Stone誌曰く「インディ・ロック界で最も魅力的で謎めいたミュージシャン」、Mitskiは、Dead Oceansからニュー・アルバム『The Land Is Inhospitable and So Are We』をリリースする。
Mitskiのアルバムの中でも、最もサウンド的に広がりをもち、壮大で、賢明なこの作品で、曲は傷をもたらし、そして積極的にそれを癒しているようだ。ここでは、愛は遠い星からの光のように、私たちの優しい日々を祝福するためにタイムトラヴェルしている。
アルバムは、イースト・ナッシュビルのBomb Shelterと、ロサンゼルスのスタジオ、Sunset Soundでレコーディングされ、Drew Ericksonが編曲/指揮したオーケストラと、ミツキによってアレンジされた計17人(ロサンゼルスで12人、ナッシュビルで5人)のフル・クワイア(合唱団)が参加している。
「この新しい崇高なサウンドを創り出す為には、スタジオでバンドが一緒にライヴ・レコーディングをすることが重要である」とMitskiは初めて感じ、彼女の長年のプロデューサーであるPatrick Hylandとの共同作業により、アルバムには様々な要素が盛り込まれることになった。
「これは私にとって最もアメリカ的なアルバム」とMitskiは7枚目のアルバムについて話すが、そのサウンドは、私的な悲しみや痛ましい矛盾を抱えたこの国を目撃する深い行為のように感じられる。しかし、「目撃することを超えているのかもしれない」と彼女は言う。「希望や魂や愛がないほうが人生は楽だと感じることもある」と、しばし、Mitskiは語る。一方、目を閉じて、何が本当に自分のものなのか、差し押さえられたり取り壊されたりすることのないものは何なのかを考える時、彼女は愛を見る。
「私の人生で最高のことは、人を愛すること。死後、私が持っているすべての愛を残せたらと思う。そうすれば、私が創り出したすべての善意、すべての善良な愛を、他の人々の上で輝かせることができる」とMitskiは言う。
彼女は『The Land Is Inhospitable and So Are We』が、自分が死んだ後もずっとその愛を輝かし続けることを願っている。このアルバムを聴くと、まさにそのように感じられる。
発売・販売元 提供資料(2023/08/02)
初期のチェンバーなアンサンブルから、ブレイク作『Puberty 2』前後でのグランジ、前作『Laurel Hell』のシンセ・ポップまで、ミツキはたえず音楽性を変化/更新させてきた。その意欲的な姿勢は新作でも変わらず。2014年の3作目以降、タッグを組み続けるパトリック・ハイランドと共に、今回はクラシカルかつシネマティックな音作りで、甘さとほろ苦さが混濁する世界を表現している。オーケストラと計17人の合唱団を迎えたサウンドは、優雅ながらも厳粛。スコット・ウォーカーやリー・ヘイズルウッドの諸作を彷彿させる、メロドラマティックな一枚だ。最高傑作を更新したかも。
bounce (C)田中亮太
タワーレコード(vol.478(2023年9月25日発行号)掲載)