マーティン・スコセッシ監督の映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』オリジナル・サウンドトラック盤
ロビー・ロバートソンの書下ろしによる全15曲。スコセッシ監督×ロビー・ロバートソン、最後のコラボ作品。
10月20日に全国公開されたマーティン・スコセッシ監督による映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。
地元の有力者である叔父のウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)を頼ってオクラホマへと移り住んだアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)。アーネストはそこで暮らす先住民族・オセージ族の女性、モリー・カイル(リリー・グラッドストーン)と恋に落ち夫婦となるが、2人の周囲で不可解な連続殺人事件が起き始める。町が混乱と暴力に包まれる中、ワシントンD.C.から派遣された捜査官が調査に乗り出すが、この事件の裏には驚愕の事実が隠されていた――。
音楽を手掛けたロビー・ロバートソンとスコセッシ監督とタッグを組むのは本作が11作目。ロビー・ロバートソンは今年8月9日に80歳で逝去しており、これが最後の作品となった。ロビー・ロバートソン書下ろしによる全15曲が収録され、15曲目「スティル・スタンディング」には、ロビー自身の魂にしみる歌唱が収録されている。
ロビー・ロバートソン(1943/7/5-2023/8/9)は、ザ・バンドのギタリストとしてその名を知られる音楽界のレジェンド。カナダのトロントに生まれ、10代から音楽活動をはじめた。ボブ・ディランのバック・メンバーとなり、68年<ザ・バンド>として『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』でデビュー。「ザ・ウェイト」等名曲の数々を発表しアメリカのみならず世界中のロック・シーンに多大な影響を与えた。1976年11月25日サンフランシスコで行われた解散ライヴはスコセッシ監督により『ラスト・ワルツ』(78)として映画化された。1歳違いのスコセッシとの縁は深く、バンド解散後は作曲や音楽監修で『カーニー』『レイジング・ブル』『カジノ』『ハスラー2』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『アイリッシュマン』等を手掛け映画音楽の世界でも才能を発揮。1987年からはソロ・アルバムも制作をはじめ自身のルーツであるネイティヴ・アメリカンをテーマにした作品も発表している。
発売・販売元 提供資料(2023/10/27)
ザ・バンドの解散コンサート〈ザ・ラスト・ワルツ〉をマーティン・スコセッシ監督が手掛け、本作で11作目となったお馴染みのタッグだが、これが最後の作品となってしまった。2023年8月にこの世を去ったロビー・ロバートソン。その卓越した作曲スキルで、ザ・バンド解散後は映画音楽でもその才能を発揮。残念ながら遺作となってしまった本作で、映画音楽家としてのロビー・ロバートソンの集大成を堪能して欲しい。M15"Still Standing"では彼自身の歌唱も聴くことができる。絞り出すような歌唱に胸が締め付けられます。
intoxicate (C)栗原隆行
タワーレコード(vol.167(2023年12月10日発行号)掲載)