技術、音楽性ともに現在最高のピアニストのひとりニコライ・ルガンスキー。レコーディングに積極的でディスコグラフィも充実していますが、最新盤は驚きのワーグナー。とはいってもワーグナーのオリジナル・ピアノ曲ではなく、楽劇の名ナンバーをピアノで披露。ワーグナー作品のピアノ編曲自体は各種存在しますが、複雑なスコアを 10本の指に収めることや、ゆったりと流れる時間感覚など原曲の持ち味を保つのは難しく、ルガンスキーは既存の編曲を拡大したり、自らの版を手掛けての挑戦。聴きものは彼編曲による 「神々の黄昏」 からの4つの場面。20年以上前から構想しながら、レコーディングの数日前にようやく完成したというもの。単なるヴィルトゥオーゾ効果ではなく、善悪や富と愛についての哲学的深みを湛えた壮大なもので非常に感動的。ルガンスキー円熟の神業を見せてくれます。 (C)RS
JMD(2023/12/26)
ワグネリアンでさえも目から鱗間違いなし。
ルガンスキーがピアノで描くワーグナーの世界!
技術、音楽性ともに現在最高のピアニストのひとりニコライ・ルガンスキー。レコーディングに積極的でディスコグラフィも充実していますが、最新盤は驚きのワーグナー。とはいってもワーグナーのオリジナル・ピアノ曲ではなく、楽劇の名ナンバーをピアノで披露。
ワーグナー作品のピアノ編曲自体は各種存在しますが、複雑なスコアを10本の指に収めることや、ゆったりと流れる時間感覚など原曲の持ち味を保つのは難しく、ルガンスキーは既存の編曲を拡大したり、自らの版を手掛けての挑戦。聴きものは彼編曲による「神々の黄昏」からの4つの場面。20年以上前から構想しながら、レコーディングの数日前にようやく完成したというもの。単なるヴィルトゥオーゾ効果ではなく、善悪や富と愛についての哲学的深みを湛えた壮大なもので非常に感動的。ルガンスキー円熟の神業を見せてくれます。
ルガンスキーは大のワグネリアン、ことに「ローエングリン」以降の作には目がなく、アルバム実現が夢だったと語っています。実際ワーグナーの話をしだすと止まらず、CDブックレットでも熱いワーグナー愛を論じています。
ルガンスキーが「ワーグナーのピアノ編曲の真の傑作」と賞するリストの「イゾルデの愛の死」が最後に披露されますが、オペラ原作を深く理解しているだけあり、数多い同曲録音中でも別格の説得力と凄みに圧倒されます。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2023/12/20)
楽器を奏でられるなら、ワーグナーの壮大な楽劇の名旋律を演奏してみたいと思うのは自然だろう。リストは『トリスタンとイゾルデ』『タンホイザー』など多くのピアノ版を生み出したのは知られている。ただその中に『神々の黄昏』がない。ワーグナー好きのルガンスキーはこの作品を自ら編曲し、愛情を込めて演奏。ライトモチーフはもちろん、弦楽器の細かな動きまで完璧に指で表現。技巧を技巧として聴かせずあくまでワーグナーのサウンドとして耳に届くのが素晴らしい。ラインの夜明けの高揚感、迫力の低音が響く葬送行進曲、闇に光が差し込む自己犠牲と耳をとらえて離さない。最後のうねりにうねるリスト編『愛の死』も絶品。
intoxicate (C)雨海秀和
タワーレコード(vol.169(2024年4月20日発行号)掲載)
問題は、輸入盤より600円高いこの「国内仕様版(日本語解説書付)」を買う意味が一切ないということです。
CD付属の解説書は輸入盤と全く同じ英語のものです。日本向けボーナストラックがある訳でもありません。あるのは道下京子氏によるペラ1枚のうっすい曲目紹介(オペラのあらすじ紹介サイトに載ってるレベル)と販売サイトにも載っているうっすいルガンスキー氏紹介文のみ。
これを「国内仕様版」だからとホイホイ買わされてしまった自分に腹が立ちます。どうぞ皆様は騙されず、安い「輸入盤」をご購入ください。