ラッパー:KMC、2年振りのフルアルバムが全曲O.N.Oビート、THA BLUE HERBプロデュースで<THA BLUE HERB RECORDINGS>から発売決定。 (C)RS
JMD(2024/02/14)
ラッパー:KMC、2年振りのフルアルバムが全曲O.N.Oビート、THA BLUE HERBプロデュースでTHA BLUE HERB RECORDINGSから発売決定。
THA BLUE HERBがラッパーをプロデュースする。この形態のプロジェクトは2021年のYOU THE ROCK★のアルバム以来となります。今回の相手は、KMC。
既にこれまで3枚のアルバムを発表しており、主に東京アンダーグラウンドでは名の知られた存在なのでご存知の方も多いと思います。我々THA BLUE HERBとも何度も現場で顔を合わせ、交流を深めてきました。そこでよくある「いつか一緒に曲を創ろうぜ!」という会話、そこからここまで、このアルバムのインフォメーションまでには幾つもの偶然の巡り合わせがありましたが、ここに実際に出来上がった楽曲、その質、調和の精度が、全ては必然だったのだと言わせます。このアルバムはKMCその人のものですが、同時に我々TBHRにとっても重要なマイルストーンとなる作品になる。その予感、否、確信は隠せません。
KMC自身の生い立ち、「漁師の息子」というキーワードを軸に物語は、航海は進んで行きます。ヒップホップへの無垢な愛、仲間や故郷への想い、コロナ禍での日々、やがて自身が置かれた現状への隠せぬ悔しさ、今のヒップホップシーンへの疑いや問い、言葉のアプローチは自身のコンプレックス、そして心の闇にまで及びます。そしてその全てを吐き出し、反動の全てをも受け止め、それに傷付きながらも尚もアグレッシブにフレッシュであり続けようとする姿勢、これこそがKMCの生命線。声、言葉だけで突破を図ろうとするKMCという動力、それはこの閉塞し、狂騒する社会においてこそ躍動するはずだと、存在を活かすのは今この時にあると、我々TBHRも覚悟を迫られ、大いに試される制作の日々でした。
加えて特筆すべきはO.N.Oのビートの進化。既に追随する存在がいなくなって久しい彼がまた新たに切り開く地平、KMCが持てる全てをぶつけて挑んだからこそ、その進化もまたカラフルに、強靭に現れました。
早く聴いて欲しい曲ばかりです。
発売・販売元 提供資料(2024/02/12)
一昨年に3作目『ILL KID』を発表したKMCの次なる一作は、THA BLUE HERB RECORDINGSから。YOU THE ROCK★の『Will Never Die』に続くTHA BLUE HERBのプロデュース作として、彼らの近作に見られる温もり溢れる曲調も取り込んだO.N.Oのビートは、声を限りにツバ飛ばすガムシャラなラップが身上のKMCから新たな面を引き出す。THA BLUE HERBの流儀を歌詞で咀嚼したかのよな"BREAKIN' ATOMS IN THE TOKYO"に火をくべるラップぶりから、これまでを知らずとも彼の過去が浮かぶ"CLASSICS"まで、今回も客演なしの構成に覚悟を見る一作だ。
bounce (C)一ノ木裕之
タワーレコード(vol.485(2024年4月25日発行号)掲載)