2004年にリリースされた7thAL『ライフブラッド』のエクスパンデッド&リマスター盤が遂に登場!マニックスの他の再発盤と同様、今回のリイシュー盤にもオリジナルトラックのリマスタリング、B面曲、デモ音源、アウトテイクが収録。またジョン・ハリスの書き下ろしライナーノーツ、ミッチ・イケダ氏による未発表写真がフィーチャーされている。これまでのパンク・ロック的なアプローチから、あえて一旦距離を置き、シンセやピアノを導入し、アレンジの幅を拡大した。こういった点からファンの間でも評価が分かれる作品とされているが、この作品なくして、今の彼らは語ることが出来ない歴史的ターニングポイントともいえる作品。 (C)RS
JMD(2024/02/27)
キャリア中、最大の問題作。ここに今再降臨―――
2004年にリリースされた7thAL『ライフブラッド』のエクスパンデッド&リマスター盤が遂に登場!マニックスの他の再発盤と同様、今回のリイシュー盤にもオリジナルトラックのリマスタリング、B面曲、デモ音源、アウトテイクが収録。またジョン・ハリスの書き下ろしライナーノーツ、ミッチ・イケダ氏による未発表写真がフィーチャーされている。完全生産限定盤、3CD、特殊ブックレット仕様。
これまでのパンク・ロック的なアプローチから、あえて一旦距離を置き、シンセやピアノを導入し、アレンジの幅を拡大した。こういった点からファンの間でも評価が分かれる作品とされているが、この作品なくして、今の彼らは語ることが出来ない歴史的ターニングポイントともいえる作品。
発売・販売元 提供資料(2024/02/26)
ブリット・ポップ期のポール・ウェラーしかり、UKの新興ムーヴメントの裏にはヴェテランの奮起がある。今年の新世代UKシーンの加熱っぷりの影にも、フランツ・フェルディナンドが師と仰ぐモリッシーの大復活祭があった。だが、キーンやホープ・オブ・ステイツが祝福されるいまこそ、マニック・ストリート・プリーチャーズには彼らにとってのアニキ的存在になってほしい、そう願わずにはいられない記念碑的傑作が登場した。ベスト・アルバムを経てリリースされたマニック・ストリート・プリチャーズの通算7作目『Lifeblood』は、パンキッシュな前作『Know Your Enemy』のような荒々しさを削ぎ落とし、中期の名作『Everything Must Go』の頃に回帰、そして凌駕する圧倒的スケール感に包み込まれている。無限の拡がりを見せる“1985”や“Empty Souls”といった楽曲たちに象徴されるような、ストリングスと瑞々しいポップ・メロディーが織り成す奇跡的な一体感。若気の至り丸出しなデビュー時の〈アルバム1枚で解散〉宣言や、カリスマ的ギタリストの悲劇的欠落といったトピックを含む、15年間の〈苦節〉があったからこそではあるけれど、メロディーやサウンド、そしてその声のひとつひとつにこれほどまで美しすぎる〈深いシワ〉を、果たしてすべてのバンドが刻むことができるのだろうか。それこそがコールドプレイやキーンといった新世代の〈清純派〉に与えられた必須命題であり、それほどに高いレヴェルで語られるべき〈人生のオーケストラ〉なのである。
bounce (C)加賀 龍一
タワーレコード(2004年11月号掲載 (P68))
このバンドのことをちょっと甘く見てはいけない。というより、このバンドはもっとウェールズという土地と絡めて語られないとダメだ。いまだに一般的には90年代以降のUKロック・シーンの代表格アーティストというイメージがあるのかもしれないが、前回の来日公演時に久々に取材をして、いまさらながらに痛感させられたものだ。彼らはUKではなくウェールズに生きているのだと。カーディフの音楽シーンがまるでグラスゴーやシカゴのようにどんどんおもしろくなってきているなか、彼らはウェルシュの血、誇りを決して失ってはいない。なんといってもタイトルが『Lifeblood』なのだから。約3年ぶりのニュー・アルバム。トニー・ヴィスコンティが3曲をプロデュースしていることが早くも話題にのぼっているが、ここではスーパー・ファーリー・アニマルズなどでもお馴染みのグレッグ・ヘイヴァーがほとんどの曲を手掛けていることのほうが重要だろう。翳りを帯びたメロウな旋律が強調された楽曲が多く、全体的に彼ららしいドラマティックな仕上がりになっているが、このジリジリとした熱さは、やはり自分たちのアイデンティティーそのもの、すなわちイングランドと闘う国=ウェールズ出身であることを証明するものだ。スミスへの感謝の思いを滲ませた“1985”などからは、カーディフで結成された頃のまだ青かった彼らの横顔が見えてくる。こうした姿勢を一言〈政治的〉と片づけてしまうようなリスナーにだけはなるな、そう警告しておきたい。
bounce (C)岡村 詩野
タワーレコード(2004年11月号掲載 (P68))
いきなり、M①『1985』で20年前にタイムスリップしています。
しかし、ラストM⑫『CARDIFF AFTERLIFE』では新たな方向性を暗示しているかの様です。