トム・ヨークが人間の精神世界を描き切った圧巻のサントラ
トム・ヨークとサム・ペッツ・デイビーズが手掛けたダニエレ・ルケッティ監督の映画「Confidenza」のサウンドトラック。オーケストラやジャズセクションを従え、ポスト・クラシカルかつアヴァンギャルドな劇伴楽曲を中心に展開しつつも、ボーカル曲2曲も秀逸。なかでも「Knife Edge」はあまりにも静謐で美しい一曲に仕上がっている。
タワーレコード(2024/07/26)
トム・ヨーク(レディオヘッド/ザ・スマイル)が手掛けた『Confidenza』オリジナル・サウンドトラックが〈XL Recordings〉よりリリース!
トム・ヨークがルカ・グァダニーノ監督が2018年に手掛けた『Suspiria』のリメイク版のオリジナル・サウンドトラックに続くサウンドトラック作品『Confidenza』を〈XL Recordings〉よりリリース!
アルバムに合わせて発表されたシングル曲「Knife Edge」は、エリオ・ジェルマーノとフェデリカ・ロゼリーニが主演を飾るミュージック・ビジュアルで『Confidenza』の編集を担当したアエル・ダリエ・ヴェガが映画からの場面を再編集している。
サム・ペッツ・デイヴィス(トム・ヨーク『Suspiria』、ザ・スマイル『Wall Of Eyes』)がプロデュースした『Confidenza』は、サム・ペッツ・デイヴィスとトム・ヨークが、ロンドン・コンテンポラリー管弦楽団と再び手を組み、ロバート・スティルマンやザ・スマイルのバンドメンバーでもあるトム・スキナーを含むジャズ・アンサンブルとも協働している。2019年、トム・ヨークはエドワード・ノートン監督の『Motherless Brooklyn』に音楽を提供し、2022年には『Peaky Blinders』の最終シリーズのために2曲のオリジナル・トラックを書き下ろした。
国内盤CDは解説書・歌詞対訳を封入した高音質UHQCD仕様でリリースされる。
発売・販売元 提供資料(2024/04/23)
レディオヘッドの中心人物による2枚目のサントラ。以前の『Suspiria』がグロテスクな映画に呼応した不穏な音作りを敷いていたのに対し、シリアスに人間を描くイタリア映画へと提供した今作は、ストリングスや管楽器が抒情的な旋律を奏でていて、重厚でありつつ感傷を隠さない。サッドなバラード"Knife Edge"、前衛ジャズ調の"On The Ledge"あたりが白眉か。
bounce (C)田中亮太
タワーレコード(vol.488(2024年7月25日発行号)掲載)