音楽史にその名を刻むスーパー・グループ、その初期の姿を捉えた1969年の貴重な未発表ライヴ・アルバムが登場!
4人の才能と個性が絶妙に溶け合いながら至高のサウンドを鳴り響かせる伝説のグループ、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング。
彼らが発表した音楽史における記念碑的作品にして歴史的名盤『DEJA VU』の誕生前夜ともいうべき1969年9月、フィルモア・イーストで行われたコンサートの模様を収録した、音楽史における秘宝ともいうべき貴重な未発表ライヴ・アルバム『LIVE AT FILLMORE EAST, 1969』が、今ここにそのヴェールを脱ぐ…!
元バーズのデヴィッド・クロスビー、元バッファロー・スプリングフィールドのスティヴン・スティルス、元ホリーズのグラハム・ナッシュ、そしてソロ・アーティストとして活動していたニール・ヤングという4人の才能と個性が、絶妙に溶け合いながら至高のサウンドを鳴り響かせる伝説のグループ、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング。1969年8月に開催された歴史的音楽イベント、ウッドストック・フェスティヴァル出演後に行ったツアーの中から、1969年9月20日に歴史的コンサート会場として知られるフィルモア・イーストで行われたライヴ音源が発掘され、今回、未発表ライヴ・アルバム『LIVE AT FILLMORE EAST, 1969』としてここに登場することとなった!
1969年の8月にニューヨーク州の郊外で開催された歴史的音楽イベント、ウッドストック・フェスティヴァルに出演した彼らは、その後ツアーを続けながら、翌1970年に発表するクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのデビュー・アルバム『DEJA VU』のための楽曲の制作に一年の残りを費やしていった。そのツアーの中から、1969年9月20日にニューヨークの歴史的なコンサート会場であるフィルモア・イーストで行われたライヴ音源のマルチ・トラック・テープが新たに見つかり、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの初ツアーの模様からバンドの初期の姿を捉えた音源が、ここに未発表ライヴ・アルバム『LIVE AT FILLMORE EAST, 1969』となって登場することとなるのだ。(1/3)
発売・販売元 提供資料(2024/09/13)
クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングは、これまで世に発表されていなかったこの貴重なライヴ音源の制作に積極的に取り組んだ。スティルスとヤングは、ロサンゼルスにあるサンセット・サウンド・スタジオで、エンジニアのジョン・ハンロンとともに、オリジナルの8トラック・テープに録音されていた音源に、丹念にミックスを施していったのだ。ニール・ヤングはアルバムについて、近年次のように語っている。
「(僕たちが)テープを持っていたんだけど、サウンドの臨場感が素晴らしくてね。僕たちはサンセット・サウンドでミックスをしたんだけど、ここで聴こえるのはその場所で実際に聴こえるアナログなエコー音であり、デジタル処理したエコー音は使っていない。プロダクションにおいて僕たちは全てをアナログで突き通した…、100%ね。アナログのみさ。デジタルは一切ない。つまり完全にアナログの作品なんだ」
ウッドストックから1ヶ月程しか経っていない9月20日に開催されたコンサートは、フィルモア・イーストで2日間にわたって行われた彼らの4回目のライヴとなった公演で、ステージはアコースティックとエレクトリックの2つのセットで構成されていた。スティルスが、試行錯誤しながら当時のライヴを組み立てたことを語ってくれた。
「アコースティック・セットは特に何もしなくてもそれで十分に成り立ったんだけど、今や色んな機材も揃って、ダラス・テイラー(ドラム)とグレッグ・リーヴス(ベース)もいるし、きちんとやらなきゃいけない大規模な公演だったから、とにかくそれにふさわしいものにした。技術的に足りなかった部分は情熱で補ったんだ…、とにかくバンドはのりにのっている状態で、まさに"エクスペクティング・トゥ・フライ"、どこかに飛んでいきそうな勢いだったよ」
セットリストの中でも特筆すべきパフォーマンスは、CSNのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムに収録され、まもなく名曲となった「Suite: Judy Blue Eyes」、「Helplessly Hoping」や、ニール・ヤングの『EVERYBODY KNOWS THIS IS NOWHERE』から披露された「Down By The River」などが挙げられる。さらにコンサートでは、後に『DEJA VU』に収録となる2曲の初期ヴァージョンが披露されている。スティルスは、自身の内省観を歌ったバラードである「4 + 20」の素晴らしいソロ・アコースティック・パフォーマンスを披露した。それに続き、ナッシュはオルガンを弾きながらソロで「Our House」を歌い、フィルモア公演の観客としてその場にいた、楽曲のインスピレーションの源ともなったジョニ・ミッチェルに届けている。(2/3)
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アコースティック・セットでは、ヤングがバッファロー・スプリングフィールド(彼がスティルスと初めて組んだバンド)に演奏を許可した自身の楽曲「I've Loved Her So Long」が演奏されている。この楽曲は、バッファロー・スプリングフィールドの最後のアルバムであり1968年に発表された『LAST TIME AROUND』のために彼が書いたものである。ヤングはこのことについて次のようにコメントしている。
「僕にとってCSNYは、スティヴン・スティルスと再びバンドを結成し、バッファロー・スプリングフィールドの空気感を再び表現する機会となったんだ。クロスビーが発する偉大なエネルギーは僕たちに常に刺激を与えてくれた。グラハムとスティヴンの歌声は、デヴィッドと僕の歌声とハーモニーとなり、毎晩高揚感をもたらした。忘れられない最高の瞬間だったよ」
エレクトリック・セットは、壮大なスケールとなった 「Wooden Ships」、「Long Time Gone」、そして「Sea Of Madness」といったパフォーマンスが物語るように、パワフルで刺激的だ。そしてバンドは、「Find The Cost Of Freedom」でショーを締め括る。この楽曲はスティルスによる新曲で、彼らの代表的なプロテスト・ソングである「Ohio」のBサイド・トラックとなった。
当時を振り返り、ナッシュは次のように語っている。
「こうやって過ぎてみて改めて楽曲を聴くと、いかに僕たちがお互いを愛し、そして自分たちが作った楽曲を愛していたかというのがわかるね。僕たちは、それぞれが奏でる多様なサウンドを楽しむ4人組だった。静かに一緒に歌う一方で、会場を揺るがすように激しくロックをしたんだ」(3/3)
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それ以降のロック・シーンに多大な影響を与えた、デヴィッド・クロスビー、スティヴン・スティルス、グラハム・ナッシュ、ニール・ヤングによる歴史的グループの、完全未発表だった貴重なライヴ音源がマルチテープの発掘によって公式リリース! 録音されたのは69年8月の〈ウッドストック〉出演と70年の傑作ファースト・アルバム『Deja Vu』発表の間、69年9月20日にNYのフィルモア・イーストで行われたパフォーマンス。リリース前のアルバム曲にCSNやヤングの曲も交え、穏やかなアコースティック・セットから怒涛のエレクトリック・セットへ転換していく豊かな空気感を再現している。
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.491(2024年10月25日発行号)掲載)