ラッキーオールドサン前作『うすらい』からおよそ4年振りとなる5thアルバム。良彰とナナの2人が共に エレキギターを手に取り鳴らす暖かなフィードバック&ディストーションによる甘美なノイズと、モジュレーションの効いたサウンドによって彩られる、瑞々しい光沢をまとった 混沌としたサイケデリア。淡々としたリズムと慎ましくも幽玄なボーカルに滲むリリシズ ム。そして人懐っこくも泣きたくなるようなメロディ。夢心地な浮遊感をもった楽曲は時 にレイドバックし、シリアスにもユーモアにもふれながら真夜中のメランコリーを漂白し ていく。 長い旅の先に2人が見つけた新たな地平でけたたましさと静謐さが交錯する、刺 激的でいて幻惑的な泡沫のベルベット・ポップス。 (C)RS
JMD(2025/06/13)
2人だけで制作した前作『うすらい』を挿み、一般流通盤としては6年以上空けての新アルバムが到着。ノイズ混じりのユーモラスなロックンロール、揺らぎを纏ったアンビエント・ポップ、アーシーなカントリー調と彼ららしい多彩なサウンドを聴かせつつ、柔和な旋律と歌声の包容力がどことなく増しているような。ふわりと身を委ねれば、安心感にも似た凪の時間がやってくる。
bounce (C)土田真弓
タワーレコード(vol.500(2025年7月25日発行号)掲載)