アメリカの伝統的音楽の歴史を体現し、現代へと伝えるキャロライナ・チョコレート・ドロップス。
その彼らにとってのデビュー・アルバムであり、2011年グラミー賞で最優秀トラディッショナル・フォーク・アルバム部門を受賞した『GENUINE NEGRO JIG』の発売15周年を記念したアニヴァーサリー・エディションが発売!15年を超えて、長く広く聴き継がれて欲しい作品が、9曲のボーナス・トラックを追加収録した形で登場!
アメリカの伝統的音楽の歴史を体現し、現代へと伝えるキャロライナ・チョコレート・ドロップス。その彼らにとってのデビュー・アルバムであり、2011年グラミー賞で最優秀トラディッショナル・フォーク・アルバム部門を受賞した『GENUINE NEGRO JIG』の発売15周年を記念したアニヴァーサリー・エディションが発売となる。
フィドルやバンジョー、ジャグやカズーなどを多用した伝統的なストリング・バンド・サウンドにヒップホップやソウルの要素を取り入れたユニークな音楽スタイルを持つキャロライナ・チョコレート・ドロップス。2005年にノースカロライナ州ブーンで開催されたブラック・バンジョー・ギャザリングで出会ったドム・フレモンズ、リアノン・ギデンズ、ジャスティン・ロビンズの3人によって結成されたこのトリオは、全員南部黒人ストリング・バンドの伝統を継承した最後の世代のミュージシャンの一人であるジョー・トンプソンの指導のもと、ピードモント地方のバンジョーとフィドルの音楽伝統を学んだ。古き良き南部のストリング・ミュージックはアパラチア出身の白人音楽家と結びつけられることが多いが、ギデンズはNPRのインタビューでこう指摘している。「歴史書から抜け落ちていることが二つある。一つは、ピードモント地方にも弦楽バンド音楽が存在した事実。そして、黒人コミュニティが弦楽伝統において非常に大きな役割を担っていたことだ」キャロライナ・チョコレート・ドロップスは、この誤解を正すだけでなく、何世紀にもわたる弦楽音楽の伝統を継承し発展させることを目指して活動を始めたのだ。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2025/12/12)
その彼らが2010年2月16日にリリースしたのがデビュー・アルバム『GENUINE NEGRO JIG』だ。アラン・トゥーサンやエルヴィス・コステロとの仕事で知られるジョー・ヘンリーがプロデュースを手掛けたこのアルバムは、米ビルボードのフォーク・チャートでTOP10入りを果たした他、ブルーグラス・チャートでは1位を記録、またNPRやPasteなどのメディアの2010年の年間ベスト・アルバム・リストにも選出され、高い評価を集めた。また2024年にローリング・ストーンズ誌が発表した「カントリー・ソウル25選」にも選ばれている。
そのアルバムの発売15周年を祝うアニヴァーサリー・エディションには、創設メンバーであるドム・フレモンズ、リアノン・ギデンズ、ジャスティン・ロビンソンの全員が関わっており、オリジナル・アルバムに9曲のボーナス・トラックを加えた形でのリリースとなる。ボーナス・トラックには、7曲の未発表曲の他、「City of Refuge」(映画『The Great Debaters』サウンドトラック収録曲)の2025年リマスター音源、そして「Memphis Shakedown」の2025年リミックスを収録。また先行配信されている未発表曲の1曲「Here Rattler」は、ジャスティン・ロビンソンがグランド・オール・オープリーのスター、グランパ・ジョーンズとアフリカ系アメリカ人バンジョー奏者ジョン・スナイプスから学んだ伝統曲であり、ロビンソン(バンジョー)、ギデンズ(フィドル)、フレモンズ(リズムボーンズ)が演奏を担当している。
スミソニアン国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館のドワンダリン・リース博士とスティーブン・ルイス博士は、アルバムのライナーノーツでこう述べている。「『GENUINE NEGRO JIG』が15年経った今も色あせないのは、キャロライナ・チョコレート・ドロップスがアメリカ大衆文化に与えた影響だけでなく、それ自体が優れたレコードだからだ」
アメリカン・ルーツ・ミュージックを現代に蘇らせたキャロライナ・チョコレート・ドロップス。15年を超えて、長く広く聴き継がれて欲しい『GENUINE NEGRO JIG』アニヴァーサリー・エディションの登場だ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2025/12/12)
いにしえのブラック・ストリング・バンドの香ばしいサウンドを21世紀に蘇らせるノース・キャロライナ出身の3人組がノンサッチから新作をリリース。彼ららしいハツラツとしたジャグ・ナンバーの間に幻惑味を湛えたインストやブルー・カントゥレルのカヴァー(!)などが挿入される本作のプロデューサーは、先ごろサリフ・ケイタの新作にも関与したジョー・ヘンリー。この両者の相性はピッタリで、ユニークなディスカヴァー・アメリカ作品に仕上がっている。締め括りのトム・ウェイツ《Trampled Rose》があまりにずっぱまりで最高です。
intoxicate (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.84(2010年2月20日発行号)掲載)