Dragon's Domain Recordsから、1968年の映画『The Killing of Sister George(甘い抱擁)』のサウンドトラックが登場しました。
音楽を担当したのは、テレビシリーズ『0011ナポレオン・ソロ』や『スター・トレック』、そして不朽の名作『ルーツ』などで知られるジェラルド・フリード。監督は『飛べ!フェニックス』『特攻大作戦』『何がジェーンに起ったか?』の名匠ロバート・アルドリッチが務めています。
1968年に公開された本作は、フランク・マーカスによる戯曲を基にしており、主演のベリル・リードが舞台版に続いてJune Buckridge役を熱演。共演にはスザンナ・ヨーク、コーラル・ブラウンら豪華キャストが名を連ねています。
本作は、当時の主流映画界ではまだタブー視されていた、セクシュアリティやアイデンティティ、そして他者への心理的依存といったテーマを真正面から描いた意欲作として、今なお高い評価を受けています。
物語の中心は、ベテラン女優June Buckridge(ベリル・リード)。彼女はBBCの人気ラジオ・ドラマ『Applehurst』で、誰もに愛される地区看護師「Sister George」を長年演じてきました。しかし、視聴率の低下と彼女自身の粗暴な素行が災いし、番組側が彼女の役を「降板(病死)」させる計画を立てているという疑惑が浮上。彼女のキャリアは危機に瀕します。私生活でのジューンは、ドラマの聖女のようなイメージとは正反対。酒に溺れ、葉巻をくゆらせ、傍若無人に振る舞う人物です。同居している年若く未熟な恋人Alice(Susannah York)に対しては、支配的で時に虐待的な関係を続けていました。ある日、泥酔したジューンがタクシー内で若い尼僧に性的嫌がらせをして事故を引き起こしたことで、事態は一気に悪化。放送局のプロデューサー、マーシー(Coral Browne)との対立が深まる中、女優としての地位も、自分と一体化していた「Sister George」というアイデンティティも失っていく彼女の葛藤が、本作の感情的な核となっています。
本作の音楽を手がけたのは、2023年に95歳でこの世を去った巨匠ジェラルド・フリードです。ロバート・アルドリッチ監督とは本作が初のタッグとなり、後に『何がアリスに起ったか?』などの名作でも協力関係を築きました。ブロンクス生まれのフリードは、若き日のスタンリー・キューブリックの親友でした。キューブリックの初監督作『DAY OF THE FIGHT,』で音楽を依頼された際、当時まだ映画音楽の学校がなかったため、彼は数ヶ月間映画館に通い詰めて独学で劇伴の仕組みを学んだといいます。その後も『現金に体を張れ』や『突撃』など、初期のキューブリック作品を支えました。60年代以降は活動の場をテレビにも広げ、『スター・トレック』や『スパイ大作戦』といった伝説的番組を担当。70年代には、クインシー・ジョーンズから引き継いだミニシリーズ『ルーツ』の音楽でエミー賞を受賞するなど、確固たる地位を築きました。
Dragon's Domain Recordsから、ジェラルド・フリード作曲による映画『The Killing of Sister George(甘い抱擁)』のサウンドトラックが、世界初リリースとして登場しました。音源はDigital OutlandのJames Nelsonによってマスタリングされ、ブックレットにはScott Davisによる書き下ろしのライナーノーツが掲載されています。本アルバムは限定盤となります。
発売・販売元 提供資料(2026/04/14)