Quartet Recordsは、名作映画音楽の新規録音シリーズ第5弾を発表いたします。ジョン・バリー作品としては、『雨の午後の降霊祭』、そしてキャサリン・ヘプバーン主演のテレビ映画3部作に続く3度目のリリースとなります。
5度のアカデミー賞に輝いたこの巨匠による忘れがたい音楽は、今なお世界中で愛され続けています。1960年代から90年代にかけて数十本もの映画に提供された、彼の革新的なスコアが与えた衝撃は、現代においても色褪せることなく響き渡っています。
1965年にシドニー・J・フューリー監督によって製作された『国際諜報局(原題:The Ipcress File)』は、イギリス映画史における象徴的な作品です。
スパイ、ハリー・パーマー(いわゆる「アンチ・ボンド」)を主人公としたシリーズの第1作目であり、マイケル・ケインの初主演作として、彼を一躍スターダムへと押し上げました。物語の舞台は終始ロンドンであり、地味な公務員の小グループが、さらに小規模な裏切り者たちの集団を静かに追跡していく姿を描いています。
ジョン・バリーのキャリアにおいて、次々と傑作を生み出していた最も多産で成功を収めた時期に、彼はこの『国際諜報局』のために忘れがたいスコアを書き上げました。彼は、現実的なイギリス人スパイの日常的な世界を、ジェームズ・ボンドのような浮世離れしたファンタジーとは明確に区別するため、物語とキャラクターに特有のユニークなサウンドを追い求めたのです。
このスコアでは、ツィンバロンのソロをフィーチャーしたジャズ風味のメインテーマが、映画そのものと同様に象徴的な存在となっています。バリーにとって、本作の背景である冷戦下の空気感は、この楽器の音色を披露するのに理想的な舞台となったのでした。
映画の公開当時、バリーはデッカ・レコードのために豪華なアルバムを編纂しましたが、その内容はメインテーマに基づいた素晴らしいバリエーションやアレンジ、そしてジャズのアドリブ演奏が中心でした。
バリーが本作のために書き下ろしたオリジナル楽曲は50分近くに及びますが、そのうちアルバムに収録されたのはわずか17分のみ。それらも最高のリスニング体験を提供するために、編集や再構成が施され、ジャズ・バリエーションと共に収められていました。その結果、これまで未発表のまま残されていた楽曲は約35分にも上り、今回の新規録音を世に送り出す十分な理由となりました。 (1/2)
発売・販売元 提供資料(2026/05/15)
私たちは、当時のジャズ・バリエーションを再現しようとはしませんでした。なぜなら、プロのジャズ・ミュージシャンが他の奏者のアドリブを模倣することなどあり得ませんし、すべきでもないからです。それらを譜面に書き起こす作業は、結局のところ、オリジナル演奏に宿る精神を真に捉えることはできない無益な試みと言わざるを得ません。
それでも、私たちは今回のアルバムを、かけがえのないオリジナル盤に取って代わるものではなく、それを補完するものと考えています。それぞれが異なる、しかし同様に魅惑的な世界を表現しているのです。
ボーナス・セクションでは、バリーがデッカ盤アルバムで提示したオリジナル・スコアのバージョンを、彼自身が行った編集や改変も含めて、今回の新録音を用いて再構成しました。
さらに、トランペット奏者のMiroslav Hloucalが自由にアドリブを奏でられるようテンポを落としたメインテーマの別バージョンや、バリーが当時45回転シングル盤のために作成した編曲に基づく「A Man Alone」も収録しています。プログラムの締めくくりには、同じくツィンバロンをフィーチャーしたテレビシリーズ『Vendetta』と『The Persuaders!』のテーマ曲を収めています。
Leigh Phillipsが心血を注いでスコアの復元とオーケストレーションを行い、レコーディング・プロデュースを手掛けました。演奏は名門シティ・オブ・プラハ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:アダム・クレメンス)、録音はSmecky StudiosにてVitek Kralが担当。ミックスとマスタリングはChris Maloneが、バリーによるオリジナル録音の精神に基づき、彼がCTSスタジオで確立した伝説的な「バリー・サウンド」を彷彿とさせる本物の響きを緻密に再現しました。
20ページに及ぶブックレットは、Nacho B. GovantesによるエレガントなデザインとJim Titusによるカバーアートで飾られ、映画音楽ジャーナリストであり著名なバリー通として知られるJon Burlingameによる詳細なエッセイが掲載されています。 (2/2)
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