<リヒテル生誕111年記念企画>
1983年にミュンヘンで録音された音源を初SACD化。チャイコフスキーの抒情的な楽曲からラフマニノフの技巧を駆使する楽曲まで、その表現力はリヒテルの許容の深さと音楽への信念を感じる録音!1977年ミュンヘン録音ショパン「スケルツォ全集」も収録。
K2HDリマスタリングを経てSACD化!伊熊よし子氏の新規序文解説付。当時リヒテルを多く手掛けたディレクター、野島友雄氏監修による原音を追求したマスタリングを実施
「ここに聴くチャイコフスキー、ラフマニノフ、ショパンは、まさにリヒテルの心の奥に秘めた音楽への深き愛情を示唆し、深層心理を描き出す。リヒテルは作曲家が表現した詩的で繊細で情感あふれる曲想を、一時は画家を目指したといわれるように一服の絵画のように視覚的な表情で紡ぎ出す。特にチャイコフスキーとラフマニノフは、ロシアの戯曲ように、短編小説のように鮮やかな物語性を醸し出す。一方、ショパンはロシア・ピアニズムの美質が全開。深々とした打鍵、絶妙のレガート、内奥に切り込んでいく姿勢に心が震える。」~伊熊よし子氏による新規序文解説より
当時のディレクター野島友雄氏監修のもと、ビクターFLAIRマスタリングワークスにおいて、電源・ケーブル類から見直した最新のマスタリングを実施。リヒテルの表現力がより明瞭に、緻密なテクニックがより明確にわかる、精細な音作りを目指しました。リヒテルの目の覚めるような演奏は、私たちを言いしれない興奮に駆り立てます。今回のリヒテルのSACD化復刻は、日本ビクターが原盤もしくは販売権を持つ音源を取り上げます。収録場所、録音順にほぼ準拠した構成とし、各アルバムを集成しました。
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タワーレコード(2026/06/05)
リヒテルは各レーベルにライヴを含め多くの録音を残していますが、発売に関してはかなり厳密に吟味していたようです。収録を行ったものの、本人が演奏に納得せず実際はリリースされなかった音源も多数あるようで、前出の野島友雄氏によるとビクターで収録した音源のなかでもリリースできなかった音源やテイクは多く存在するとのことでした。時にはライヴが終了した後でも再度収録のために演奏を頭から行うなど、拘りと高い意識を常に持っていたとのこと。一般的にも完璧主義者としても認識されており、類稀なる集中力と緊張感を持って、この上なく練磨された演奏で聴き手を圧倒する印象が強いのがまさにリヒテル、そのものではないでしょうか。納得するまで追求する姿勢もまた、リヒテルを語る上では欠かせない要素のひとつと言えます。残された音源はいずれもリヒテルしか成し得ないピアニズムが活きており、聴き手も納得させられるものばかりです。
1983年4月にミュンヘンのスタジオで収録された珍しいチャイコフスキーの小品集とラフマニノフに加え、1977年に同じくミュンヘンでの収録である名盤「ショパン:スケルツォ全集」を2枚組に集成しました。元々はDISC1の1-14曲目までの小品が「チャイコフスキーの詩情」として、DISC1の「四季」より4曲とDISC2のラフマニノフ2曲がひとつのアルバムで、そしてショパンも単独で出ていましたので、オリジナルでは3枚で出ていた音源です。リヒテルは演奏会でもチャイコフスキーの小品を弾いていましたが、14曲まとまってのひとつのアルバムでのリリースは他と比較してもなかなか無い盤と言えるでしょう。自国の作曲家問わずリヒテルは小品であっても物語性を感じさせる、詩情豊かなピアニストでした。ある意味繊細さを持って演奏するリヒテルのピアノから、リスナーは多くの想像をつかみ取れます。例え1分に満たない小曲であっても、心が引き込まれる演奏は少ないでしょう。ラフマニノフも同様で、そこにはリヒテルしかない情景が拡がっています。得意としたショパンでも独自にセレクトを行うなど単独で演奏する機会が多かったリヒテルですが、1977年のセッション録音であるこの「スケルツォ」では、全曲が収められているのはポイントが高いです。ライヴでは各曲を単独で演奏する機会が多いため、少ないセッション録音の中でもまとまっての収録は貴重です。技術的にも難易度が高い第1番や第2番含め、リヒテルの演奏はダイナミックでかつ構築性が高く、スケールの大きな演奏としてこの盤も高い評価を得てきました。芸術性の高さにおいても全集としては圧倒的な存在価値を放っています。今回の初SACD化により、更なる再評価を期待します。
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タワーレコード(2026/06/05)
今回の音源の一部は元々アナログ録音(1977年のショパン)で収録されていましたが、アナログマスターが現存していない状況でした(上記以外はデジタル録音)。そのためCD発売時のマスターデータ(44.1kHz/16bit)を基に「K2」の技術を用い192kHz/24bitにアップコンバート後、DAコンバーター(DCS-955)でアナログ化を行った上でDSD化することにより、原音の追求を図りました。SACD層だけでなくCD層でもその差を感じることができます。「K2」テクノロジー(K2HD)を用い、最新でマスタリングを行った上でSACDハイブリッド盤として新規で復刻します。
尚、解説書にはLP初出時の一部解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケット・デザインにはDISC2の有名なシューベルト:ピアノ・ソナタ第21番を採用し、解説書の裏面他に同:ピアノ・ソナタ第19番やシューマンのジャケット・デザインを一部カラーで収納しています。
<K2HDマスタリングとは>
「原音を追求したK2HDマスタリング」
「K2」テクノロジー(K2HD)では、失われた音楽情報を解析することで、それぞれに異なる倍音成分を持つ楽器ごとの音色の復元や、演奏者の音楽表現の再現までを可能にしています。本作のマスタリングでは、当時のディレクターとレコーディング・エンジニア立合いの元、「K2」の技術を使い、CDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートすることで原音の追求を図りました。SACD層だけでなくCD層でもその差を感じていただけるものと思います。
■「K2」とは
日本ビクターとビクタースタジオが共同開発した音源デジタル化における高音質化情報処理技術です。
■「K2」の理念
「元の状態に戻す・復元する」「変質させない・オリジナルのまま」、この2つの指針に基づき、「アーティストの拘りの音をオリジナルのままに再現する」これが「K2」の理念です。
■22.05kHz以上の復元(失われた情報の復元)
音は多くの倍音により構成されており、その倍音はデジタル化で失われてしまいます。 「K2」は、失われた音楽情報を時間軸で解析し、デジタルマスターで失われた再生周波数22.05kHz以上の周波数を再現することにより、各楽器ごとの倍音の音色や、演奏者の表現を復元し、オリジナルマスターと同等の音楽表現を再現しています。
■本作独自のマスタリング
本作は、K2HDによりCDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートし原音の追求を図りました。周波数領域ではなく時間軸で処理をする「K2」だからこそ実現可能な技術です。
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タワーレコード(2026/06/05)