映画『悪党に粛清を』のマッツ・ミケルセン来日イベントレポート
デンマークを代表する国際的俳優マッツ・ミケルセンが初来日をし、新宿武蔵野館にて日本最速上映&舞台挨拶が決定!来日舞台挨拶に行ってきました。
まず始まる前にトーク中の撮影OKに大歓声が。そして、本人登場に大大大歓声!
笑顔で登場のマッツ・ミケルセン、まず映画について話してくれました。
『今回は制作会社であるzentropa filmsと脚本のアナス・トマス・イェンセンと監督のクリスチャン・レヴリングの代表として日本に来日させていただきました。彼らの代わりに“ようこそいらっしゃいました”という言葉をお送りしたいと思います。』
『監督のクリスチャン・レヴリングですが、幼少の頃から西部劇に憧れていて西部劇を作ることが夢でした。歴史をひもといてみるとデンマーク製の西部劇が出来上がった必然を理解してもらえると思います。アメリカの開拓史は我々デンマークやヨーロッパからの移民の歴史でもあり、アメリカ人からウェスタンを取り返した、そんな風に捉えていただければと思います。』
『ネタバレはしないように致しますが、本編は復讐劇ですが、人間が復讐を果たしていく中で、どこまで人間性を保てるのかということをテーマにした映画です。ぜひお楽しみいただきたいと思います。』とのこと。
次に司会が質問を、この映画は南アフリカで撮影されたそうですが?
『ロケ地は南アフリカで、デンマーク人が西部劇を南アフリカで撮ったちょっと面白い作品になっています。
景色のいいところだったので、撮りたい画は撮れたのですが、南アフリカですから、カメラを向いている方は西部劇になっているのですが、ちょっとアングルを変えるとシマウマが入っていたりします。カメラのアングルはかなり気を付けて撮らなければいけなかった。
スタッフは現地で手配しているので、南アフリカの人たちは地元の言葉をしゃべっているという中々シュールな体験になりました。』
マッツ・ミケルセンさんの演技は感情をおさえたものが多いですが、この映画では監督からの指示や、ご自身で考えた部分などはありますか?
『監督なんか使ってません(笑)』とジョークを。
『抑制された演技というのは取材中もよく聞かれたが、文化的な事もあるのかもしれない。皆さんにとっては抑えた感じでもデンマーク人にとっては普通のリアリズムだと、いう見方が出来るんじゃないかなと思います。とはいえ、この映画は西部劇ですので、西部劇っていうのはセリフ運びではなく、広大な景色があって、そこに一人の男がいてという引きの魅力、表情で語る魅力のジャンルだと思う。
例えばアメリカ西部劇を見てみますとチャールズ・ブロンソンとか、表情1つで映画を背負っていくのかなと。』
ハンニバルの芝居と比べると今回の方が感情をだしていますか?
『ハンニバルも確かに抑制した演技をしていますが、レクター博士は実に実に楽しく人生を送っている人なんですね。この映画の主人公よりは楽しそうな人です(笑)』
質問が前後しましたが、初来日で日本の印象は?
歌舞伎をご覧になったとお伺いしましたがどうでしたか?
『日本の印象と聞かれても実はですね、ホテルで缶詰めだったので、ホテルの窓からしか見れていないんです。外に出るのは、この舞台挨拶が初めてだったんですが、日本人はみんなカメラを持ってるんだなと思いました(笑)』
『窓から見る景色はほんとにキレイで街に出たくてしょうがないです。これから2日間オフをいただいているので街中へくりだしたいと思っています。』
『歌舞伎は本当に素晴らしかったですね。デンマークにも形式的な劇、パントマイム・バレーといったものがありまして、それに通じるものがあるなと思いました。
ただ、バレーの方はセリフはないのでそういった違いはありました。楽しかったです。』
この映画で好きなシーン、見てほしいところは?
『とにかく美しい映画です。それと、セルジオ・レオーネ監督の伝統をくんでいたり、黒澤明監督の作品からインスパイアされたり、例えば七人の侍とか、侍の映画ですけどとっても好きで、西部劇だと思って見ていました。そういった巨匠たちにインスパイアされた作品です。』
最後に
『残念ながら日本語はしゃべれないので、英語で失礼します。
心に響く映画であればなと思っております。非常に残酷な物語なので、ただデンマーク人なのでそういう映画になっちゃうんですよね(笑)ぜひお楽しみください。』
とのことでした!
客席からの暖かい拍手でお見送りとなりました!
担当こぼれ話―
フォトセッション時に、客席からかわいい!の声に、はにかんでおりました!笑顔がステキ!
取材陣から手をふってほしいと声がかかると『日本では手をふるのが好きなんですね(笑)』と。そして、自ら『手をふりましょうか?』とジョークを。『デンマークでは手をふるのは女王ぐらいだ。』とのこと!
取材陣が多くなり、左右に移動してのフォトセッションの際、マッツ・ミケルセンさんはポスターの後ろに立ちポスターから顔をだすお茶目っぷり!
(これを激写出来なかったことが悔やまれる!この写真は自らポスターの位置を確認するマッツ・ミケルセンさん)
新宿武蔵野館にマッツ・ミケルセンが!!というだけで胸熱ではないでしょうか!普段劇場に行くためのエレベーターにマッツ・ミケルセンが乗り、普通に劇場をウロウロ。これはもう…すごいことです…。
短い時間でしたが、映画の話をたくさん聞け、マッツ・ミケルセンさんも、お客様も笑顔の楽しい舞台挨拶となったと思います。
マッツ・ミケルセンさん来日ありがとうございました!また来日してくれることを期待しましょう!(オフ…楽しまれたでしょうか…マッツ様!)
Text:Naomi Jomori 2015.05.12 新宿武蔵野館にて
神はなぜ、復讐という業を背負わせたのか
マッツ・ミケルセン主演 世界中の映画祭が熱狂したウェスタン・ノワール
1870年代アメリカ―。元兵士のジョン(マッツ・ミケルセン)は敗戦で荒れたデンマークから新天地アメリカへと旅立つ。7年後、事業も軌道に乗り妻子を呼び寄せ再会を喜び合っていたのもつかの間、非情にも目の前で妻子を殺されてしまう。怒りのあまり犯人を見つけ撃ち殺したジョンだったが、犯人はこの辺り一帯を支配する悪名高いデラルー大佐(ジェフリー・ディーン・モーガン)の弟だったことから彼の怒りを買う。更にその弟の情婦で声を失ったマデリン(エヴァ・グリーン)も巻き込み、それぞれの孤独で壮絶な復讐がはじまった…
<キャスト>
マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン、ミカエル・パーシュブラント
<スタッフ>
監督:クリスチャン・レヴリング
配給:クロックワークス/東北新社
Presented by スターチャンネル
© 2014 Zentropa Entertainments33 ApS, Denmark, Black Creek Films Limited, United Kingdom & Spier Productions (PTY), Limited, South Africa
6月27日(土) 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト:http://akutou-shukusei.com/
twitter:https://twitter.com/akutoushukusei