ザ・ビートルズ カヴァー特集(ジャズ編)
タワレコ ジャズバイヤーがセレクト!ザ・ビートルズ カヴァー曲収録作品のオススメをご紹介!
ジャズ
ジャズ史に残る偉大な女性シンガーによる“AOR"ビートルズ。
Sarah Vaughan『ソングス・オブ・ザ・ビートルズ<完全生産限定盤>』
ジャズ以外でもクラシック、ポップス、ブラジル等何を歌っても絶賛されたジャズ・シンガー、サラ・ヴォーン。本作は1981年にリリースされたビートルズ・カヴァー集で、バックにはTOTOのメンバーであるジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチらに加え、リー・リトナーも参加したサラにしては珍しいAOR/フュージョン・テイストに満ちた傑作。ディスコ調の“ゲット・バック”、メロウ・アレンジの“フール・オン・ザ・ヒル”、全曲最高。
◆◆◆◆◆
人気ピアニストが放つ最高のソロ演奏による“ブラックバード”。
上原ひろみ『Spectrum<初回限定盤>』
世界を駆け巡り活躍する人気ジャズ・ピアニスト、上原ひろみが、2019年10年ぶりのソロ・ピアノ・アルバム『Spectrum』をリリース。書き下ろしの新曲7曲とカヴァー2曲で構成された内容で、カヴァーはビートルズとジョージ・ガーシュウィンの楽曲を取り上げている。気になるビートルズ・ナンバーは“ブラックバード”。穏やかな中にもパッションを感じさせるプレイで進行してゆき、終盤に出てくる6連符フレーズの連続が上原ひろみらしい。
カバー収録曲:5.ブラックバード
◆◆◆◆◆
透徹したピアノの響きが空気をゆらす“アンド・アイ・ラヴ・ハー”。
Brad Mehldau Trio『ブルース・アンド・バラッズ』
ジャズ・シーンでは90年代以降に登場したジェネレーションのピアニストで、圧倒的人気を誇るブラッド・メルドー。本作はレギュラー・メンバーのピアノ・トリオでの2016年リリース作で、タイトルのごとく極上のブルースとバラードを収録したもの。もともとビートルズ・カヴァーを得意とするブラッド、ジャズ・スタンダード中心の楽曲中、ビートルズの“アンド・アイ・ラヴ・ハー”のカヴァーが独特のアクセントを与えている。
カバー収録曲:6.アンド・アイ・ラヴ・ハー
◆◆◆◆◆
オーケストラ・サウンドとジャズ・ギターの融合が生み出すビートルズ。
Wes Montgomery『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』
オクターヴ奏法を駆使したダイナミックなギター奏法で、いまだにリスペクトされるジャズ・ギター・レジェンド、ウェス・モンゴメリーが1967年にリリースした傑作。クリード・テイラーのプロデュースで、オーケストラ・サウンドとともにポップス・カヴァーも披露した内容は当時大ヒットとなった。そのタイトル・チューンともう1曲“エリノア・リグビー”の2曲のビートルズ名曲カヴァーを収録。名旋律がオクターヴ奏法で奏でられてゆく。
カバー収録曲:1.ア・デイ・イン・ザ・ライフ 6.エリナー・リグビー
◆◆◆◆◆
ディープかつ独自の世界観で歌われる“ヒア・カムズ・ザ・サン”。
Nina Simone『ヒア・カムズ・ザ・サン』
ジャズ・シーンの中でひときわカリスマティックな個性で知られたシンガー、ニーナ・シモン。ブルース、ゴスペル、R&Bの要素を取り込んだ多彩なスタイルが特徴だが、1971年リリースの本作は60年代頃のポップ・ロック系のナンバーをカヴァーしたユニークな人気作。タイトル曲はジョージ・ハリスン作のビートルズ・ナンバーとして名高い名曲のカヴァー。オーケストラ、バック・コーラスをつけたアレンジの中、ニーナのヴォーカル&ピアノが光る。
カバー収録曲:1.ヒア・カムズ・ザ・サン
◆◆◆◆◆
トップ・ミュージシャンたちと斬新なアレンジで聴かせる“ノルウェーの森”。
Herbie Hancock『ザ・ニュー・スタンダード +1』
どんな傾向の音楽にも万能な、ジャズ界のカメレオンことハービー・ハンコックの1996年のアルバム。タイトルは、その時点での“ニュー・スタンダード”であるロックやR&Bのナンバーのカヴァー集という意味。プリンス、スティーヴィ・ワンダー、ニルヴァーナ、スティーリー・ダンなどの楽曲の中に、ビートルズの“ノルウェーの森”もカヴァー。メンバーはマイケル・ブレッカー(sax)、ジョン・スコフィールド(g)ら、トップクラスのメンバーで聴かせている。
カバー収録曲:3.ノルウェーの森
◆◆◆◆◆
ピアノ・トリオでビートルズ名曲をたっぷりと、ロマンティックに。
Romantic Jazz Trio『ビートルズ・イン・ジャズ』
ビートルズの名曲をジャズ・ピアノ・トリオ編成で存分に聴かせる一枚。ヴィーナス・レコードで数々のリーダー・アルバムをリリースしているピアニスト、ジョン・ディ・マルティーノ率いるロマンティック・ジャズ・トリオの2010年作。1曲目の“フール・オン・ザ・ヒル”に始まり、“レット・イット・ビー”、“カム・トゥゲザー”、“ブラックバード”、“イエスタディ”等大人のジャズ・アレンジで聴かせる。2012年のカヴァー第2弾も必聴。
◆◆◆◆◆
スインギーな演奏であの曲、この曲、エンジョイ、ビートルズ!
Sugarpie And The Candymen『Let It Swing』
イタリア発のプログレッシヴ・スウィング・バンド、シュガーパイ・アンド・キャンディメンによるビートルズのスイング・カヴァー集。女性シンガーをフロントに2ギター、ベース、ドラムスの編成でのロック名曲カヴァーは定評が高く、2014年にはクイーンの”ボヘミアン・ラプソディ“のカヴァーも話題になった。2015年リリースの本作では”カム・トゥゲザー“に始まり、”デイ・トリッパー“、”レディ・マドンナ“など、ビートルズ・ナンバーを軽快なスイングで楽しませる。
◆◆◆◆◆
ボッサのリズムが夜を感じさせる、ジャズ・ギターで聴く“抱きしめたい”
Grant Green『I Want To Hold Your Hand』
シングル・ノートを多用したフレージングでジャズ・ギターの醍醐味を伝える名プレイヤー、グラント・グリーンの1966年、ブルーノート・レーベルでの傑作。タイトルがビートルズの“抱きしめたい”というところから、当時いち早くビートルズのジャズ・カヴァーを収録した一作でもある。そのタイトル曲をオルガン・トリオ+テナー・サックスの編成でボッサ・アレンジで聴かせる。60年代の空気感とどこかナイトリーなムードがいい感じ。
カバー収録曲:1.I Want to Hold Your Hand
◆◆◆◆◆
90年代異色のプロジェクトが放ったビートルズ・ジャズ化の一枚。
Various Artists『ストロベリー・フィールズ<限定盤>』
ブルーノート研究家でサックス奏者、アレンジャー、プロデューサーの才人ボブ・ベルデン。自身のプロジェクトでロックやクラシックのジャズ化を推進し、1996年にビートルズをコンセプトに発表したのが本作。カサンドラ・ウィルソン&ダイアン・リーヴスによる“カム・トゥゲザー”をはじめ、大西順子も参加した“ゲット・バック”など、当時のブルーノート・レーベルの人気アーティストたちによるビートルズ・カヴァーの一大オン・パレード。
その他カヴァー曲収録作品
The Beatles『アビイ・ロード』50周年記念エディション 9/27(金)発売!
▼詳細はこちらより!
タグ : ザ・ビートルズ
掲載: 2019年10月08日 11:00